研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、日本におけるオーラルヒストリー・アーカイブ(口述史資料の収集・保管)の一手段としてインターネット上に映像アーカイブを構築し、ウエブ上での公開に係わる著作権、所有権、肖像権を含めた法的諸問題および倫理上の問題を同時に研究することである。平成16年〜18年の3ヵ年にわたり、上記の目的に沿って研究実施計画を立てた。初年度はデジタルアーカイブの構築の進む米国およびシンガポールの先例研究に重点を置いた。米国からオーラルヒストリー・ウエブアーカイブの先駆的試みとして評価の高いDensho代表のTom Ikeda氏を招聘し、日本オーラルヒストリー学会との共催でワークショップを開催したが、日本のオーラルヒストリー実践者が一同に会する大会時に実施できたことはこの研究テーマへの関心を高めることも含めて有意義であったと言える。またシンガポールにおいては、国立公文書館での国を挙げてのオーラルヒストリーへの取組に関する研修を受けた。その教育効果に重点を置いた取組は実際のアーカイブ構築に大きな意味を持った。17年度には、カリフォルニア州立大学のシャーナ・グラック氏を招聘し、より具体的なウエブ・アーカイブの法的、倫理的問題点の提示を受ける実践講座を開催した。理論的枠組みをはじめ、グラック氏の豊かな専門知識を共有できたことは本研究の代表者、分担者のみならず日本全国からの参加者全員に意義深い機会となった。また、研究代表者はカリフォルニア大学におけるオーラルヒストリー夏季上級講座への参加およびDenshoでの研修を通して映像アーカイブの目指す方向を学ぶことが出来た。最終年度には、2年間の研究成果を踏まえて、実際のアーカイブに収録するための米国における聞き取りの実施、国際学会で発表、それにデジタルアーカイプの構築の開始という3件の実施計画をたて、すべてを実行することができた。これらの成果は研究成果報告書に詳細を記した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
日本オーラル・ヒストリー研究(日本オーラル・ヒストリー学会) (創刊号)
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Japan Oral History Review, Japan Oral History Association Volume 1
史資料ハブ地域文化研究 (東京外国語大学大学院地域文化研究科21世紀COEプログラム) No.5
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Journal of the Centre for Documentation & Area-Transcultural Studies, Tokyo University of Foreign Studies, Graduate School of Area and Culture Studies No.5