研究課題
本研究は動的空間への没入感について、感覚系と運動系の統合、時間知覚における視覚と聴覚の統合、バーチャルリアリティによる広視野提示、同物体効果という、4つの観点から検討した。【感覚系と運動系の統合】視野闘争について視覚と手の運動の関係を調べる実験を行った。左眼と右眼に運動画像を提示し、片方の眼の画像は手の動きと同位相に動かし、もう片方の眼の画像は手の動きと逆位相に動かした。結果は、位相の違いは視野闘争に若干の影響を持つことを示し、感覚系と運動系の関係について新たな展望を拓いた。【時間知覚における視覚と聴覚の統合】時間順序の知覚について、視覚と聴覚の交互作用の時空間特性を検討する実験を行った。時間的に近接して2光点を左右に提示して提示順序を判断するとき、その光点提示に時間先後してやはり左右に音を提示するという事態を設定し、音の提示順序が光点の提示順序に及ぼす効果を計測した。その結果、視聴覚の交互作用には左右という空間的要因が大きく影響し、光点と音の左右が同じときには促進的効果が見られ、左右が違うときには抑制的効果が見られた。この研究は国際会議で発表し、『認知心理学研究』に投稿し採録された。【バーチャルリアリティによる広視野提示】視聴覚の時空間交互作用に関して、研究分担者が所属する産業技術総合研究所が保有するバーチャルリアリティ装置を用いた広視野提示条件で検討した。このような提示方法のときには、視覚誘導性自己運動感覚(ベクション)が生起する。実験結果から、ベクションが生起しているときには、視覚刺激が聴覚の時間順序判断に影響するという新規性が高い結論が得られた。この研究は、一部をIEICE Transactionsに投稿し採録され、国際会議で発表し、現在は国際誌に投稿を準備している。【同物体効果】同物体効果にテクスチャが及ぼす影響を検討した研究を、IEICE Transactionsに投稿し採録された。
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