研究課題
基盤研究(C)
1.因子分析(FA)における漸近バイアスの導出FAにおける漸近バイアスの導出は、これまで日本の研究者によって正規分布の仮定の下でいわゆる独自性についてのみ行われた。しかし、FAにおける主要な関心は因子負荷とよばれるものである。そこで、因子負荷を含むパラメータについて漸近バイアスを導出した。2.主成分分析(PCA)における漸近バイアスの導出PCAの結果は非回転解としては固有値・固有ベクトルへのスペクトル分解として得られ、その漸近バイアスの一部はすでに得られている。しかし、バリマックス解等の回転を施された場合はFAの場合と同様に回転解に対応した漸近バイアスが必要となる。そこでFAに共通なアルゴリズムを用いてこれまでに得られていない漸近バイアスを求めた。3.パラメータの推定量の漸近展開共分散構造におけるパラメータの推定量の分布に関して通常のエッジワース型の漸近展開を求めたほか、母パラメータの信頼区間の構成に便利なコーニッシュ-フィッシャー展開の結果を得た。また、ステューデント化された統計量に関する漸近展開を求めた。4.高次漸近標準誤差構造方程式モデリングにおけるパラメータの推定量の高次漸近標準誤差を求めるために、観測変数の標本共分散の高次モーメントを扱いやすい形で導出した。また、高次漸近標準誤差に必要となるパラメータの推定量の観測変数の標本.共分散に関する3次の偏微分を陰関数における公式を発展させることにより求めた。5.漸近バイアス等の漸近頑健性の導出正規分布仮定の下で得られた、一部のパラメータの漸近標準誤差等は一定の条件の下で非正規分布の場合にも成立することが知られている。この性質は漸近頑健性と呼ばれているが、漸近バイアスに関しても類似の条件の下で漸近頑健性が成立することを証明した。これらはシミュレーションを用いて検証された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (9件) 図書 (1件)
Behaviormetrika 32・1
ページ: 9-28
Computational Statistics and Data Analysis 49・3
ページ: 771-783
Behaviormetrika 32(1)
Computational Statistics and Data Analysis 49(3)
British Journal of Mathematical and Statistical Psychology 57・2
ページ: 353-376
Psychometrika 69・2
ページ: 235-256
British Journal of Mathematical and Statistical Psychology 57(2)
Psychometrika 69(2)
Advances in psychology research (Shohov, S.P.(Ed.)) Vol.27
ページ: 65-94