• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

決定論的最適性をもつベイズ的推定手法の導出とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16500172
研究機関東京大学

研究代表者

久保川 達也  東京大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20195499)

キーワード階層的ベイズ推定 / 経験ベイズ推定 / 線形混合モデル / 線形回帰モデル / 変数選択 / ミニマックス性 / 小地域推定 / 共分散行列
研究概要

本年度の研究では,特に,次の問題において,画期的な研究成果を得ることができた。
1)多変量線形回帰モデルの共分散行列の推定について,統一的で一般的な理論結果の導出に成功した。まず,母数モデルの共分散行列の改良型推定量の導出にっいてWishart分布の部分積分公式を用いた新たな方法を使って一般的な理論結果を求めた。また,その結果を混合モデルでの多変量分散成分の推定問題へ適用した。さらに,多標本問題において共分散行列の間に順序制約があるときの推定に関して,ミニマックスな手法の導出を行った。
2)線形回帰モデルの階層的ベイズ推定量について,ミニマックス性をみたすための事前分布の条件の導出を行った。またミニマックスで許容的な性質をもっための条件についても明確にした。階層的ベイズ推定の有用性は応用分野においては近年広く認識されてきたが,理論的な性質についての研究は不十分であった。ここで得られた成果は階層的ベイズ推定量の理論的性質の1つの側面を明らかにしたことになる。
3)Kullback-Leibler情報量のもとでの線形回帰モデルの点推定問題は,回帰係数ベクトルと母分散が分離できないため技術的な困難が伴う。この問題に対して回帰係数ベクトルの縮小推定量と母分散の打ち切り推定量をうまく調整することによって,通常の最尤推定量を改良する推定量の導出に成功した。またこの推定量を用いた変数選択規準を導出し,数値実験を通して良さを検証した。
4)線形混合モデルもしくは経験ベイズモデルの有用性は,小地域推定問題や疾病地図の作成において認識されているが,モデルの構造と推定の安定性との関係,推定の誤差評価と信頼区間の構成,土地公示価格の推定への応用,モデルの様々な変形と一般化線形混合モデルなどについて解説論文を作成した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] On minimaxity and admissibility of hierarchical Bayes estimators2007

    • 著者名/発表者名
      T.Kubokawa, W.E.Strawderman(共著)
    • 雑誌名

      Journal of Multivariate Analysis 98・4

      ページ: 829-851

  • [雑誌論文] Estimation of Wishart mean matrices under simple tree ordering2007

    • 著者名/発表者名
      M.-T.Tsai, T.Kubokawa(共著)
    • 雑誌名

      Journal of Multivariate Analysis 98・5

      ページ: 945-959

  • [雑誌論文] Estimation in a linear regression model under the Kullback-Leibler loss and its application to model selection2007

    • 著者名/発表者名
      T.Kubokawa, H.Tsukuma(共著)
    • 雑誌名

      Journal of Statistical Planning and Inference 137・7

      ページ: 2487-2508

  • [雑誌論文] Estimation of covariance matrices in fixed and mixed effects linear models2006

    • 著者名/発表者名
      T.Kubokawa, M.-T.Tsai(共著)
    • 雑誌名

      Journal of Multivariate Analysis 97・10

      ページ: 2242-2261

  • [雑誌論文] 線形混合モデルと小地域の推定2006

    • 著者名/発表者名
      久保川 達也
    • 雑誌名

      応用統計学 35・3

      ページ: 139-161

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi