研究課題
情報の集合からルール、傾向やパターンを抽出する技術は近年データマイニングと呼ばれ多くの研究が進められている。代表者は、種々の表形式データに対してラフ集合の概念を用いた解析法を提案し、処理支援ツールの構築を進め、実際にアンケートデータ解析に応用した。実際の支援ツールはC言語とProlog言語を利用して記述しており、(A)集合の定義可能性判定ツール、(B)可能同値関係抽出ツール、(C)属性間における依存性判定ツール、(D)被覆度や正確度計算ツール、(E)ルール抽出(ルール候補になる含意式を抽出する)ツールなどを実現している。特に、ルール抽出では識別関数の手法を導入し、条件部が最も簡単である極小ルールの抽出も可能にしている。さらに、これら(A)から(E)までのツールは決定情報(確定した値)だけでなく非決定情報(特定はできないが正しい値が中に入っていることがわかっている値の集合)も処理できる。実現したツールを用いて授業評価アンケートの解析を試みた。本データは受講生の感性情報であり、殆どの質問項目で回答に矛盾が起きていた。そこで、ある程度まで矛盾を認めるようにツールの改善も行った。抽出されたルールで最も特徴的であった含意式は「授業の進め方に好感をもてた=>授業評価は高い」であり、担当教員への印象が評価に強く影響すると解った。この際、多変量解析との接点や違いも検討した。含意式で記述されるルールの内容を理解することは容易であった、反面、特徴的でない部分のデータは含意式に反映されない。一方、回帰式の内容を理解することは容易でない場合が多い、反面、回帰式は全データの特徴を反映している。今後、回帰式と含意式の使い分けや相互補間によるデータ解析が重要な研究課題になると考える。
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