研究課題/領域番号 |
16500177
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中村 剛 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80039586)
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研究分担者 |
野瀬 善明 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20038920)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / アレルギー / 食習慣 / 大型回遊魚 / ミネラル量分布 / 乳幼児検診 / タッチパネル / アンケート |
研究概要 |
食習慣調査と遺伝要因調査:タッチパネルとパソコンを連動することにより、液晶画面にタッチすることにより回答を直接入力してもらうシステムを開発した。質問内容は1)アトピー性皮膚炎の診断のための5項目、2)肉、野菜、魚の摂食割合、3)よく食べる寿司のネタ、4)大型回遊魚とその他の魚の摂食回数に関する3項目、からなる。まず長崎市北保健センターにて3歳半検診受診者を対象に実施したところ、80%という予想を大きく上回る受診者が参加した。アトピーへの強い関心と、画面上のイラストを見やすく工夫したことが興味を引いた結果と思われる。約200名の分析結果として7%がアトピー、更に7%がアトピー疑い、とされた。家族におけるアレルギー性疾患歴の質問には80%程度が「有り」と答えた。 17年度には福岡市の産婦人科開業医による一ヶ月検診ならびに小児科開業医による10ヶ月検診にて同様の調査を行うが、行政的観点からの要請により、調査項目の大幅な変更を予定している。大型回遊魚の食習慣→体内の有害ミネラル量分布→アトピー性皮膚炎といった因果機序を想定し、毛髪ミネラル量測定を追加することになった。このため親子からの毛髪採取が新たに加えられた。また、アトピー患者を5%と見込み、調査対象者を600組の親子とした。受診施設は福岡市内に広く分布するため、タッチパネル方式による調査が困難なので、カラー印刷による専用紙を作成することにした。毛髪ミネラル量の測定は広島大学の共同利用加速器を用いることにし、そのための準備を開始した。 解析法開発とリスク解析:過去の乳幼児検診データを解析した結果、生後一年以内に湿疹を患った幼児は5歳にアトピーになるリスクが3倍高いという結果をえたが、他の調査項目はいずれもリスク因子ではなかった。測定誤差を考慮した解析法の文献調査を行い、統計学事典に一項目として解説した。
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