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2004 年度 実績報告書

生理学モデルに基づく心臓拍動シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 16500186
研究機関京都大学

研究代表者

天野 晃  京都大学, 情報学研究科, 助教授 (60252491)

研究分担者 松田 哲也  京都大学, 情報学研究科, 教授 (00209561)
水田 忍  京都大学, 情報学研究科, 助手 (40314265)
キーワード生体シミュレーション / 心臓モデル / 心筋細胞モデル / 有限要素法 / 連成計算アルゴリズム
研究概要

本研究では,臓器としての生物学的知見が豊富な心臓を対象として,近年急速に解明が進み実現されるようになった,タンパク分子機能に基づく精密な細胞モデルを元に,心筋細胞の配列,組織の微小循環,冠動脈血流,心筋組織の力学的特性に基づいた心臓の3次元拍動モデルを実現する.
様々な構成要素や構造を考慮した心臓の3次元有限要素法モデルは極めて複雑になるが,日々蓄積される生物学的知見を導入することが重要であり,その度に新たなモデルを設計することは極めてコストが高いことがわかった.そのため,本年度は,最新の生物学的知見を導入したモデルを容易に構築し,有効性等を評価するシステムとして,心臓拍動モデルの生成・修正ツールを実現した.生体シミュレーションを推進している国際プロジェクトであるPhysiome Projectにおいても,このようなツールの重要性が指摘されていたが,現在までに同様の研究はなく,非常に有用性が高いものである.
次に,拍動シミュレーションアルゴリズムとして,心筋細胞のタンパク分子機能に基づいたモデルが生成する収縮力と,材料特性に基づく3次元形状の変形を精密に計算する連成シミュレーションアルゴリズムを提案した.最新の知見に基づいた臓器シミュレーションモデルを実現する場合,従来は導入するモデルごとに新たなシミュレーションソフトウェアを生成する必要があった.これに対し,本研究では,心筋細胞モデル,収縮力発生モデル,心臓形状モデルを独立に持ち,それぞれ独立したソフトウェアにより分散計算を行うシステムを実現した.この際,これらのモデルの連成計算において,通常の弱連成を行うと数値不安定性が生じることがわかっている.そこで,本研究では,新たに分散連成計算において,数値不安定性が生じず,数学的に高精度な変形計算が可能なアルゴリズムを提案した.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 左心室拍動シミュレーションのためのシミュレーションモデル生成インタフェース2005

    • 著者名/発表者名
      天野晃
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌 D-II(掲載決定)

  • [雑誌論文] 細胞・生体機能シミュレーションプロジェクト2004

    • 著者名/発表者名
      天野晃
    • 雑誌名

      ヒューマンインタフェース学会誌 6-2

      ページ: 45-50

  • [雑誌論文] Model Generation Interface for Simulation of Left Ventricular Motion2004

    • 著者名/発表者名
      Akira Amano
    • 雑誌名

      IEEE EMB Conference

      ページ: 3658-3661

  • [雑誌論文] A Software Environment for Simulators Suitable for Complex Biological Analysis2004

    • 著者名/発表者名
      T.Shimayoshi
    • 雑誌名

      IEEE EMB Conference

      ページ: 3047-3050

  • [雑誌論文] 左心室拍動シミュレーションのためのシミュレーションモデル生成インタフェース2004

    • 著者名/発表者名
      瓶井 悠
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術報告 MBE 104:429

      ページ: 37-40

  • [雑誌論文] 電気生理学モデルと構造力学モデルの連成による心筋組織収縮シミュレーション2004

    • 著者名/発表者名
      西俊文
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術報告 MBE 104:429

      ページ: 33-36

  • [図書] Image Processing Technologies : Algorithms, Sensors, and Applications2004

    • 著者名/発表者名
      Kiyoharu Aizawa et al.(editor)
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      Marcel Dekker
  • [産業財産権] 生体シミュレーション装置およびプログラム2005

    • 発明者名
      松田哲也, 天野晃, 他
    • 権利者名
      京都大学
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2005/2 138
    • 出願年月日
      2005-02-14

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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