研究課題/領域番号 |
16500188
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
藤井 宏 京都産業大学, 工学部, 教授 (90065839)
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研究分担者 |
津田 一郎 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10207384)
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キーワード | I*類ニューロンモデル / 過渡的同期・非同期現象 / ニューロン系のインターミッテンシー / 大脳皮質ギャップジャンクション系 / インアウト型インターミッテンシー / サドル・ノード型分岐 / オンオフ型インターミッテンシー / 遍歴的・過渡的動力学 |
研究概要 |
サドル・ノード型分岐をスパイク発生機構とするI型ニューロン系がさらに、narrow channelといわれる特定の大域的非線形特性をもつ場合をI*型と定義した。このようなニューロン系には、3変数モデルとして提出されているHindmarsh-Roseモデルの主要2変数部分の非線形性をふくむ。大脳皮質においてギャップジャンクションと呼ばれる電気結合をもつ介在ニューロン系が多数発見されているが、その動的性質については未知である。本年度において、このような系の動的性質を詳細に調べ、大脳皮質における種々の過渡的同期・非同期現象などの機序との関連を調べるため、そのI*類ミニマル・モデル(μ-model)を対象に詳細な数値的研究を実施した。 このような系の遍歴的、過渡的動力学の記述において、非古典的なミルナー・アトラクタの概念が役割を果たすことが示唆される。また予備的な研究によって、この系は(Ashwinの定義による)インアウト型、オンオフ型(on-off and in-out)インターミッテンシーのみならず、クライシス誘導カオス(chsis-induced chaos)をもつことが予想されている。 空間1次元的にギャップジャンクション結合されたμ-model系は、鏡映対称不変部分空間の近傍に、全同期、位相乱流、準メタクロナール状態をもち、これらを往来する状態は不変集合に複数のアトラクタやリペラが存在しin-out intermittencyと定義される状態である。不変部分空間からの離れかたは指数関数的であり、その指数は全同期状態の(直交補空間方向への)横断リヤプノフ指数とほぼ一致する。(以上、論文提出中。)また、横断方向に間欠的に飛び出すオンオフ型インターミッテンシー、クライシス誘導カオス生成の機構についての解析については別に論文準備中である。
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