研究課題/領域番号 |
16500212
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
吉田 成孝 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20230740)
|
研究分担者 |
板東 良雄 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20344575)
寺山 隆司 岡山大学, 歯学部, 助手 (60333689)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
キーワード | ニューロプシン / オリゴデンドロサイト / プロテアーゼ / プロテアーゼM / 脊髄損傷 / 多発性硬化症 |
研究概要 |
本課題では2種のセリンプロテアーゼであるニューロプシンとプロテアーゼMの脱髄への関与を検討した。 1.ニューロプシンとプロテアーゼM発現細胞は成熟オリゴデンドロサイトであることが明らかとなった。 2.多発性硬化症のモデルであるexperimental allergic encephalopathy(EAE)を作成した結果、このモデルにおいてもニューロプシンとプロテアーゼM発現の増強を見た。プロテアーゼMに関してはオリゴデンドロサイト以外の細胞による発現も認められた。MBP遺伝子欠損であるshivererではプロテアーゼM発現が著明に減少する事が明らかとなった。オリゴデンドロサイト選択性毒素cuprizone含有食餌により、プロテアーゼM発現が著明に減少したが、普通食による再ミエリン化時には発現が通常よりも増加を見た。 3.脊髄損傷後においてニューロプシンノックアウトマウスではオリゴデンドロサイトの残存数が有意に多かった。また、その結果と考えられるマウスの後肢の運動もノックアウトマウスが有意に良いという結果を得た。また、ミエリンタンパク質であるミエリン塩基性タンパク質(MBP)もノックアウトマウスで有意に多かった。EAEにおいてもオリゴデンドロサイトの細胞死がニューロプシンノックアウトマウスで有意に少なく、行動評価でも良い結果を得た。 4.プロテアーゼM遺伝子導入においては顕著な変化は見られなかったが、RNAiによる抑制を行うとMBP発現抑制が観察された。 5.ニューロプシンノックアウトマウスではノックアウトマウスでは有意に損傷より尾側の軸索が多かった。GAP-43発現の差はなかった事からこれは残存軸索の数の相違に起因するものと考えられる。 以上より、2種のプロテアーゼは中枢神経障害時にオリゴデンドロサイトに発現し、脱髄に大きく関与している事が明らかとなった。
|