研究課題/領域番号 |
16500223
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
八木沼 洋行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90230193)
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研究分担者 |
佐藤 昇 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00254756)
本間 俊作 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20261795)
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キーワード | 頚髄運動神経 / LIM-HD転写因子 / 最終分裂 / Lim3 / 運動神経細胞死 / ホメオボックス遺伝子(Hox) / ニワトリ胚 |
研究概要 |
1 頚隨運動神経におけるLIM-HD転写因子発現パタンの詳細な時間経過を明らかにした。頚髄の運動神経は孵卵2.5日(E2.5)からE4.5の間に最終分裂を行っていた。E4.5までは、ほぼ生まれた順に外から内に配置していたが、E4.5以降、最終分裂時期が遅い運動神経が、最終分裂時期の早い運動神経細胞の間を通り外側に移動した。E8.5では、最終分裂時期が早い運動神経が腹内側と外背側に位置し、遅い細胞は腹外側に存在していた。運動神経細胞のサブグループにおいて特異的な粗み合わせの発現を示す転写因子群のIsl1、Isl2、Lim3の発現を調べたところ、E8.5では、これらすべてを発現するMMC内側群に加えて、前角の背外側にIls1のみを発現する群が認められた。この細胞群は、E3以前に最終分裂を終え、分化直後からIsl1だけを発現し、はじめ前角の腹側に位置しているが、その後、E4までに背側に移動する。また、逆行性標識法によりこの細胞群は、軸索を後根経由で末梢に送っていることが明らかとなった。さらに、比較的早期に最終分裂を行った運動神経細胞の中に、一旦3つの転写因子すべてを発現させるもののE4までにLim3の発現を失う群が認められた、しかしこの群はE5までには消失しており、同時期に起こる運動神経細胞死との関連が示唆された。 2 Lim3遺伝子の導入後に、運動神経サブグループの変換が起こっているかどうか分岐パタンの変化の検索を行っているが、今のところ最終的な結論は得られておらず、今後も解析を進める。 3 発現システムの改良を試みた。運動神経特異的発現は特異的プロモーター(HB9,Isl1)の使用により可能となったが、発現効率に改善の余地が認められた。 4 強制発現を行うべきホメオボックス遺伝子の検索を免疫組織化学的手法とISHで行った。候補であるHoxC5について全長を得るための作業を開始した。
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