研究課題
基盤研究(C)
ガラニン様ペプチド(GALP)は1999年にオーファンリセプターの内因性リガンドとして、ブタ視床下部で発見された新規の神経ペプチドである。GALPニューロンの細胞体は視床下部弓状核に分布し、その神経線維は前脳を中心として脳内に広く分布している。またGALPの遺伝子発現はレプチンにより調節されている可能性が示されている。しかしながらGALPニューロンとその他の摂食調節ニューロンとの関係については不明な点が多い。そこで我々は、GALPニューロンと脳内の摂食調節ニューロンとの神経相関を免疫組織化学的に観察した。GALPニューロンの細胞体は弓状核の後部に多く分布しており、多数のNPY含有ニューロンの神経投射を受けている。またGALPとα-MSHを共存するニューロンもみられた。さらに、GALPは外側視床下部のオレキシンニューロンに神経投射をしており、GALPはシナプスを介して神経性に摂食促進作用のあることが明らかになった。GALPニューロンは、NPYのみならず他の摂食調節ニューロンの作用を受けている可能性も考えられる。またGALPはα-MSHと共存していることから、両者は共同して摂食抑制を行っている可能性もある。われわれは、GALP産生ニューロンを単離・同定する系を確立して細胞レベルで機能解析を行うことを目的に、改良型緑色蛍光タンパク質(EGFP)をGALP産生細胞で発現するトランスジェニックマウスの作成を試みた。さらにGALPニューロンの入力路の全容を機能形態学的に解析するために、破傷風毒素由来の逆行性軸索輸送に関わる機能領域(TTC)とEGFPの融合タンパク質をGALP産生細胞特異的に発現する遺伝子改変動物を作成した。GALP産生細胞で発現するEGFP-TTC融合タンパク質は求心路をトレースできるので、この遺伝子改変動物を用いてGALPニューロンへの起始部位の同定を行なっている。現在この2系統の遺伝子改変動物を用いてGALPのニューロンネットワークを解析している。
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