研究課題/領域番号 |
16500243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
酒井 規雄 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70263407)
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研究分担者 |
松林 弘明 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60165850)
天野 託 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10294547)
関 貴弘 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50335650)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | リン酸化 / プロテインキナーゼC / プルキンエ細胞 / トランスジェニックマウス / 神経興奮伝播 |
研究概要 |
1)脳部位特異的・時間特異的γPKC-GFP発現トランスジェニックマウスの小脳プルキンエ細胞におけるトランスロケーションの解析 PKCの神経系での役割を明らかにする目的で、小脳プルキンエ細胞にγPKC-GFPを発現するトランスジェニックマウスを作製した。これらのマウスから生切片を作製し神経細胞におけるγPKCトランスロケーションのリアルタイムイメージングを試みた。その結果γPKCのトランスロケーションは、神経の興奮伝播に伴って樹状突起内を伝播することがわかった。この神経活動依存的PKC-GFPのトランスロケーションの伝播は以下のような特徴を有していた。 (1)平行線維を刺激した際にプルキンエ細胞の樹状突起の先端から細胞体のほうへ伝播する。 (2)代謝型グルタミン酸受容体の活性化が関与する。 (3)伝播のスピードは、イオンの拡散より遅くタンパクの運搬よりは遅い。細胞体に近づくにつれ遅くなる。 (4)一旦、伝播すると、次に伝播が起こるまでに30分以上の不応期がある。 2)γPKCの変異で起こる脊髄小脳失調症14型(SCA14)の発症機構の解析 遺伝性脊髄小脳失調症(SCA)の14型(SCA14)の原因遺伝子がγPKCであると同定された。SCA14の発症機序を明らかにする目的で、SCA14の遺伝子変異を導入した変異γPKCを培養細胞に発現させ、SCA14発症の分子機序解明を試み、以下の点を明らかにした。 (1)変異γPKCは培養細胞に発現させると凝集体を形成しやすく、トリトン不溶画分に回収される。 (2)変異γPKCは脂質との結合性が変化しているが、酵素活性は保たれている。 (3)トランスロケーションの過程で、変異γPKC-GFPは、受容体細胞膜から細胞質に戻る際に有意に凝集体を形成する。すなわち受容体刺激は、γPKC凝集体形成を誘発することが確認された。 (4)変異γPKCを過剰発現させると細胞死が誘導される。 3)遺伝性脊髄小脳失調症14型(SCA14)の新規家系の同定と日本における発症率の検討 新規SCA14の一家系を発見し、日本におけるSCA14の発症率は低いことを明らかにした。
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