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2004 年度 実績報告書

ドーパミン神経の分化・発達・再生を調節する糖鎖の構造と細胞内シグナル伝達機構

研究課題

研究課題/領域番号 16500249
研究機関久留米大学

研究代表者

外角 直樹  久留米大学, 医学部, 助手 (60368884)

研究分担者 東 英穂  久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
西 昭徳  久留米大学, 医学部, 助教授 (50228144)
キーワードドーパミン作動性神経 / コンドロイチン硫酸プロテオグリカン / 合成糖鎖分子 / 神経突起伸長
研究概要

この研究は、ドーパミン作動性神経の分化・発達に影響を与える生物活性をもつ糖鎖分子、特にコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの活性基本構造を決定し、その構造分子により惹起される神経細胞内の分子機構(情報伝達機構)を明らかにすることを目的としている。
そこで、胎生15〜16日のラットよりドーパミン作動性神経を含む中脳の初代培養細胞を調整し、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンがドーパミン作動性神経細胞の神経突起伸長におよぼす影響について検討した。具体的には生化学工業株式会社より基本構造(二糖類)の異なるグリコサミノグリカンであるコンドロイチン硫酸A〜Eを購入し、それぞれのコンドロイチン硫酸をコートしたプレート上に中脳初代培養細胞を撒布した。一定期間培養後、免疫染色法によりドーパミン作動性神経細胞を染色し、染色された細胞の神経突起の長さを測定した。
コンドロイチン硫酸Eをコートした場合には、poly-L-ornithineをコートしたプレート上に細胞を撒布したコントロール群に比べて神経突起伸長を有意に促進した。この変化は、A〜Dをコートした場合には認められなかった。このコンドロイチン硫酸Eによる神経突起伸長促進作用は、コンドロイチナーゼABC処理によって有意に減弱した。
コンドロイチン硫酸Eは、その他のコンドロイチン硫酸に比べて基本構造中の硫酸基の結合位置が異なり、この構造の違いが神経突起伸長に重要であると考えられる。そこで、硫酸基の結合する位置あるいは数の異なる二糖類、四糖類をDr.Hsieh-Wilson L.C.研究室にて合成し、この合成糖鎖分子を用いて神経突起伸長を検討した。コンドロイチン硫酸Eの基本構造である二糖類は、神経突起促進作用に影響しなかったが、この二糖類から合成した四糖類は神経突起伸長を促進した。また、四糖類の硫酸基を水酸基に置換すると突起伸長促進作用は認められなかった。この結果は、ドーパミン作動性神経細胞の突起伸長には硫酸基が結合した四糖類構造(配列)が活性基本構造であることを示唆している。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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