研究課題/領域番号 |
16500256
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野々垣 勝則 東北大学, 大学院・医学系研究科, COEフェロー (60370988)
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研究分担者 |
江崎 治 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 生活習慣病研究部, 部長(研究職) (90191923)
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キーワード | グレリン / セロトニン / 食欲 / メラノコルチン / フルボキサミン / SSRI / 5-HT2C受容体 / グルコース |
研究概要 |
食欲抑制系の刺激を伝達する脳内セロトニン系およびそのシグナル伝達の下流に関与する脳内メラノコルチン系と胃から分泌され摂食を促進するグレリンとの関係を探索する研究を施行した。 1)マウス(5週齢のC57BL6J雄性マウス)を使用し、24時間絶食後に5-HT2C受容体刺激薬であるmCPP(5mg/kg)を腹腔内投与する90分後に血中活性型グレリン濃度は生食群に比べ有意に低下した。このグレリン抑制効果は、選択的5-HT2C受容体拮抗薬:SB242084(1mg/kg)前投与により消失したことより5-HT2C受容体を介した反応と思われた。 2)メラノコルチン受容体3と4の伝達障害を有するAy/aマウスでは、体重に差がない野生群に比べ空腹時の活性型グレリン、デスアシルグレリンの濃度が低値であったことより、脳内メラノコルチン系の障害は、グレリンは低値でありながら、過食であることが示唆された。 3)mCPPの摂食抑制効果やグレリン抑制効果はメラノコルチン系を介さないことが示唆された。 4)セロトニン再取込み阻害薬(SSRI):フルボキサミン(30mg/kg)の投与後には活性型グレリン濃度は生食群と比べて有意な変化は認められなかった。ところがSB242084(1mg/kg)前投与後フルボキサミン投与により90分後グレリン濃度の低下を来たした。以上のことより5-HT2C受容体のシグナル伝達障害がある際に、フルボキサミンはグレリン抑制効果を発揮することが示唆された。 5)SB242082前投与はグルコース投与による血中グレリン濃度の低下効果には影響を及ぼさなかったことから、グルコースによるグレリン抑制には5-HT2C受容体は関与していないことが示唆された。 6)白色LEDの照度(100、1000ルクス)によるC57BL6Jマウスの24時間摂食量への影響は、照明の明暗サイクルを12時間、24時問、2時間ごとに変えてみたが照度差が認められなかった。
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