Densin-180の機能を解析するために、Densin-180の種々の変異体を培養細胞に導入して、その細胞内局在を観察した。Neuro2a細胞にN末端側のleucine-rich repeatsを欠失したものを発現させると形質膜への局在が消失し、細胞質内でvesicle状の局在を示した。また、HeLa細胞にC末端側のPDZドメインを含む部分を発現させると、アクチン・ストレスファイバー上に局在した。このC末端側のPDZドメインを含む部分を用いて、HeLa細胞可溶化物からpull-downされた蛋白質の中に、アルファ・アクチニンが含まれることを認めた。これらのことより、Densin-180の形質膜への局在には、N末端側のleucine-rich repeatsが必要で、また、C末端側のPDZドメインを含む部分は、アルファ・アクチニンを介して、アクチン細胞骨格とリンクしうることがわかった。Densin-180のleucine-rich repeatsを含むN末端部分と結合する蛋白質を酵母two-hybrid法を用いて探索したが、Densin-180と結合する蛋白質は得られなかった。Densin-180の線虫のホモローグであるLET-413の変異体では、trichohyalin及びplectinと相同性を有する蛋白質であるAJM-1の局在が変化することが報告されているが、私共は、細胞骨格蛋白質ケラチンと結合する蛋白質として、trichohyalin及びplectinと相同性を有する新規蛋白質トリコプレイン(trichoplein)を同定した。
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