研究課題/領域番号 |
16500258
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
河谷 正仁 秋田大学, 医学部, 教授 (00177700)
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研究分担者 |
中村 靖夫 秋田大学, 医学部, 助手 (20322117)
百田 芳春 秋田大学, 医学部, 助手 (70295236)
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キーワード | 求心性線維 / プロスタグランジン / EP1受容体 / α1受容体 / ATP / 膀胱炎 |
研究概要 |
1.プロスタグランジンによる膀胱上皮からの求心性神経活動発生機構を調べる目的でCOX抑制薬のロキソプロファン(Lox)を経口投与ないし、経静脈投与し、排尿に与える影響をラットを用いて検討した。代謝ケージでの検討はLox(1mg/kg)が一過性に排尿量、排尿回数を抑制した(持続4-8時間)。この効果は(1)腎での尿排出の抑制、PGE2排出抑制があること、(2)膀胱での求心性神経活動の抑制が同時におきているためであった。酢酸による急性炎症モデルではLoxによる抑制効果はより顕著となり、求心性神経活動はEP1受容体拮抗薬で遮断されたことから、膀胱上皮細胞で、EP1受容体を介する排尿反射促進機構が存在し、これは炎症時にはより顕著に活動すると考えられた。 2.α_<1D>受容体による膀胱上皮からの求心性神経活動発生機構を検討した。膀胱上皮細胞にはα_<1D>受容体は豊富に存在したがα_<1A>受容体はなかった。α_<1D>選択性の拮抗薬のナフトピジル(Naf)を経口投与ないし、経静脈投与し排尿に与える影響をラットを用いて検討した。(1)拘束ケージでの酢酸による膀胱持続還流による検討ではNaf(1mg/kg)は排尿間隔の延長が認められた。(2)Nafは膀胱求心性神経活動を抑制(対照の17%)と、膀胱内放出ATP量の抑制(対照の39%)をおこした。(3)また、α_<1D>ノックアウトマウスでは酢酸による頻尿が起こらなかった。したがって、膀胱上皮細胞のα_<1D>受容体は血管性ないし神経性のカテコールアミンによって蓄尿時の膀胱知覚路を活性化していると考えられた。 3.ラット・マウスの膀胱上皮細胞を無血清培地にて培養した。上皮細胞に伸展刺激を加えることによりATP放出がおこることを確認した。
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