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2005 年度 実績報告書

シナプス前神経終末部におけるL型カルシウムチャネルとリアノジン受容体の共役

研究課題

研究課題/領域番号 16500265
研究機関九州大学

研究代表者

石橋 仁  九州大学, 医学研究院, 講師 (50311874)

キーワードシナプス前神経終末部 / カルシウムチャネル / 神経伝達物質 / 脱分極 / 細胞内カルシウム / パッチクランプ
研究概要

哺乳動物の中枢神経系にはL,N,P/QおよびR型カルシウムチャネルが存在する。これらのカルシウムチャネルは神経終末部にも存在するが、これらのうち、神経終末部に存在するL型カルシウムチャネルの生理学的役割はこれまで十分には明らかになっていなかった。一方、L型カルシウムチャネルは電位センサーとして働いていることが、骨格筋で報告されている。そこで、本年度は、細胞外カルシウムイオンを除去した条件下で、神経終末部の脱分極刺激を行って、神経終末部内で起こるカルシウム放出とそれに伴って生じる神経伝達物質の放出増強について、そのメカニズムの解明を目的に研究を遂行した。
実験にはラット脊髄後角から機械的処理によって急性単離した神経細胞を用いた。単離した神経細胞にパッチクランプ法を適用し、細胞外無カルシウム条件下で高カリウム溶液を投与して神経終末部を脱分極させると、グリシン作動性自発性抑制性シナプス後電流(IPSC)の頻度が約10倍に増加した。この応答は、細胞外ナトリウムイオンを除去した条件下でも認められたが、この条件下では、脱分極刺激からの回復が著明に抑制された。この結果から脱分極刺激後のIPSC頻度の回復過程にナトリウム・カルシウム交換体が関与しており、脱分極刺激でカルシウム放出が起こっていることが示唆された。実際、脱分極によるIPSCの頻度増加は膜透過性のカルシウムキレート薬であるBAPTA-AMの処置によって強力に抑制された。
シナプス小胞に取り込まれる蛍光色素FM1-43を用いて、シナプスの開口放出を調べたところ、FM1-43の蛍光強度は細胞外無カルシウム条件下の脱分極刺激で著明に減少し、脱分極自体で伝達物質の開口放出が起こっていることがわかった。
以上の結果から、神経終末部では脱分極自体で伝達物質放出が増強される機構が存在することが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Activation of presynaptic GABAA receptors increases spontaneous glutamate release onto noradrenergic neurons of the rat locus coeruleus2005

    • 著者名/発表者名
      Koga H, Ishibashi H, Shimada H, Jang IS, Nakamura TY, Nabekura J
    • 雑誌名

      Brain Research 1046

      ページ: 24-31

  • [雑誌論文] Loss of mammalian Sprouty2 leads to enteric neuronal hyperplasia and esophage alachalasia2005

    • 著者名/発表者名
      Taketomi T., 他12名
    • 雑誌名

      Nature Neuroscience 8

      ページ: 855-857

  • [雑誌論文] Potentiation of the NMDA receptor-mediated responses through the glycine site by microglia secreting soluble factors.

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Y, Ishibashi H, Hashimoto K, Nakanishi H
    • 雑誌名

      Glia (掲載決定)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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