研究課題/領域番号 |
16500282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
原田 良信 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (90192707)
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研究分担者 |
孫 学智 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 研究員 (00284323)
鬼頭 靖司 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 研究員 (20311376)
相良 雅史 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (30291107)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | ラット / クロラムブシル / ミュータジェネシス / 遺伝子欠失 / モデル動物 |
研究概要 |
実験動物としてのラットにはマウスにはない有用性があるが、マウスで行われているようなノックアウト個体の開発はされていない。目的とする遺伝子を不活性化する方法はランダムに遺伝的変異を挿入しそれをスクリーニングする方法しかなく、効率良く遺伝子ノックアウトラットを得るための基礎検討を行った。マイクロアレイによる発現解析によりCyp3a3遺伝子について遺伝子発現がほぼ完全に抑制されている個体を得た。しかしこの個体はCyp3a3領域のゲノムDNAに大きな欠損が観察されなかった。Cyp3a3の発現を詳細に調べたところ0日齢でも発現がない個体とある個体があることがわかった。その差は授乳前か後かに起因するものと推測された。すなわち胎児ではCyp3a3の発現がないが、授乳後に発現すると推測された。今回のケースでは誕生直後にサンプリングを行った個体で解析したため、Cyp3a3が発現していないという結果になったと推測される。遺伝子発現解析ではこのようにゲノムの欠損に起因しないケースも出てくるため直接ゲノムの欠損をサーチする方法が必要だと考えた。そこで発がん、薬物代謝、放射線感受性などに関わる遺伝子を約100個ピックアップし、その第1エクソンと最終エクソン近辺にprimerを設計し定量PCRを行った。まずノックアウトマウスで実施したところ正常ホモ、ヘテロ、ノックアウトホモのゲノム量が定量できた。次に正常ラットで約200セットのプライマーで定量PCRを実施したところ雌雄でX染色体に設計したプライマーで雌:雄=2:1と正確にゲノム量が測定できることがあきらかとなった。そこでミュータジェネシスG1世代約80個体について定量PCRを実施した。その結果、1個体についてある遺伝子のゲノム領域が欠損していることが示唆された。定量PCRによるゲノム欠損領域の特定は有効な手段であることを明らかにできた。
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