今年度はラット頭蓋冠に作製した規格化骨欠損に燐酸オクタキルシウム(OCP)および新規担体材料として作製したOCPとCollagen複合化担体(OCP/Col)を埋入し、10日後を目安に移植体組織の回収・凍結後、4Mグアニジン塩酸、0.5M EDTAを用いてインプラントに集積するタンパク質の抽出を行った。 次年度以降は、抽出されたタンパク質の精製および質量分析装置(MALDI-TOF型)によるタンパク質(成長因子群)の同定、成長因子群を複合した生体材料の再構成および生体内での生理活性の検討を行う予定である。 また本研究に関連としてラット頭頂骨部分欠損に成長因子(BMP-2)を付加したOCPを埋入し、それらの骨再生について検討したところ共働的に骨修復を促進しOCPがBMP-2の担体となりうることが示唆された.上記の成果をJournal of Biomedcal Materials Research 71A巻2号に報告した. さらに本研究過程で生体骨組織の構成成分を模倣して作製したOCPとCollagen複合化担体(OCP/Col)は担体内への細胞の遊走を容易にし、成長因子の添加なしでも効率的骨再生材料であることを発見し"硬組織代替性担体材料"として特許出願を行った。
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