| 研究概要 |
1.小児用小型遠心式補助人工心臓の設計・試作
次の4つのデザイン目標を念頭に設計を行った。(1)プライミング・ボリューム節減(5cc以下)、(2)サイズの縮小化(100cc以下)、(3)生体適合性、(4)小児用駆動条件(目標流量:0.5-4L/min,圧揚程:40-100mmHg)<駆動構造>血液ポンプ内のインペラーに埋め込まれた永久磁石と駆動装置内に組み込まれた永久磁石がカップリングして、インペラーが回転し血液を駆出する。更に、回転軸周囲の血栓形成防止のため、インペラーを1点ピポット支持とした。1点支持によるインペラー挙動の不安定性を血液ポンプ・ケーシング内に埋め込まれた永久磁石とエンペラー内磁石とのカップリングによる磁気サスペンジョンにより解決した。
<血液ポンプの設計>材質:アクリル、ポンプ高:20mm、ポンプ直径:49mm、インペラー直径:30mm、重量:50g、ポンプ容積:25cc、プライミング・ボリューム:5cc
<駆動装置の設計>材質:ステンレススチール、高さ、:28mm、直径:45mm、重量:100g、容積:40cc
2.水力学試験
ブタ血液による水力学試験データより圧-流量曲線を求めた。圧揚程100mmHgに対し、3000rpm:1.0L/min,3400rpm:2.0L/min,3800rpm:3.0L/min,4200rpm:4.0L/minと十分な水力学効率を達成した。
3.溶血試験
ブタ新鮮血液500mlを実験回路に充填し、運転条件:3000rpm,1.7L/min,70mmHg,4時間の条件にて、溶血指数(g/100L,normalized index of hemolysis:NIH)0.0076と非常に低い溶血値を達成し、生体適合性にも優れていることが実証された。
以上より、平成16年度に予定した研究計画項目を全て実施し良好な結果を得ることができた。
|
