研究概要 |
平成17年度は,MRI計測によるデータ収集を継続するとともに,初年度に構築した構造データ導出手法を用いて,MR計測データから実際に構造データを導出し,関節軸の向きと皮膚変形量を求めた. データ収集活動については,初年度計測分に加え,新たに日本人被験者計5名のMRI計測を行った.姿勢変化時は初年度と同様,一人の被験者につき,手のひらを自然に開いた姿勢と,直径の異なる3種類の円筒を握る姿勢の,計4姿勢とした. 関節の回転軸解明のため,初年度計測分とあわせて計10名のデータから骨格の位置姿勢を求めた.骨に設定した座標系の各軸周りの回転角度を求めたところ,屈曲および回内角度の間に相関が認められ,関節回転軸の向きが屈曲に伴い変化することがわかった.また,指節間関節の関節回転軸同士は平行ではなく,約12度ねじれの関係にあることもわかった. 次に,同じ骨格位置姿勢データとマーカ位置データから,皮膚表面変形データを求めたところ,各指の付け根関節(MP関節)の直上につけたマーカの移動量から,骨格に対して皮膚は,大きいところでは約10mm変形していることが分かった.
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