研究課題
心臓電気現象シミュレーションの臨床応用を目標に、取り扱いの困難な3次元の心臓形状ボリュームデータあるいはサーフェスデータを構築するのためのモデリングインタフェースと、シミュレーションを実行して、その結果を可視化できるシステムを試作した。このインタフェースでは、まだまだ制限事項は多いものの、手書きスケッチ風に仮想心臓の形状変形やパラメータ設定を簡便に行うことができる。さらに、シミュレーションの実行に関しては、目的に応じて、心臓電気現象のための数学モデル(方程式)を2種類選択することが可能である。すなわち、迅速性・簡便性を重視する場合には、簡易型のFHN方程式を用いてパーソナルコンピュータでのシミュレーションがほぼリアルタイムで実行できる。したがって、患者に簡単な病態の説明をベッドサイドで行うような場合に都合がよい。一方、正確性を重視する場合には、イオンチャネルモデルであるLR方程式による大規模計算をスーパーコンピュータを用いて実行することも可能である。不整脈のメカニズムの詳細な検討などに適しているものと考える。このシステムの試作に際しては、スーパーコンピュータによる高度大規模計算の実行環境の機能アップを図り、従来の約2倍の高速化を可能にした。このシステムの試作により、目的に応じて簡単に心臓モデルの形状を変更し、パラメータを少しずつ変えながら繰り返し実験が行えるという、シミュレーション研究の最大の特性を活かすことができると思われる。
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信学技報 MBE2004-74
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信学技報 MBE2004-24
ページ: 17-20
循環器病研究の進歩(通巻44号) Vol.XXV, No.1
ページ: 60-70