平成17年度においては、当初の研究計画に基づき、1.WWWサーバによるネットワーク・シミュレーション(環境)の試験的サービス、2.患者固有の心臓形状データを取り込むための医用画像処理、さらに前年度からの課題である3.スケマティックな心臓モデリングインタフェースの改善について研究を行った。 1.ネットワーク・シミュレーション(環境)の試験的サービス 我々は滋賀医科大学にWWWサーバを設置することにより、試験的運用を行うシステムを稼働させた。このシステムでは、滋賀医科大学のWWWサーバに利用者が接続し、活動電位のパラメータや期外収縮の発生部位などを指定する。指定されたパラメータは国立循環器病センターに送信され、スーパーコンピュータよりシミュレーションが実行される。計算結果は可視化サーバにより画像化/映像化され、滋賀医科大学のWWWサーバに登録しておくことが可能である。利用者はWebブラウザを使用してシミュレーション結果を閲覧することができる。 2.患者固有の心臓形状データを取り込むための医用画像処理 心臓形状全体を取り込むところまでには至っていないが、冠動脈造影像よりイメージモザイクを行い、全体を一覧できる手法を開発した。すなわち、冠動脈像の時空間投影像および断面像を用いて、位置合わせを元にイメージモザイクを行うことで目的の画像を得ることができるものである。 3.スケマティックな心臓モデリングインタフェースの改善 前年度から開発を行ってきたスケマティックな心臓モデリングインタフェースの改善およびその応用として、直観的な心臓カテーテル検査のためのインタフェースや手書きの特性を活かした電子カルテインタフェースの試作などを行った。
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