研究課題
テクスチャー解析に基づくボリュームヒストグラム法を用いて各種間質性病変の特徴を定量的に評価することにより、自動診断及び治療効果判定につなげようとした。研究方法としては、まず(1)以下の4種の疾患群におけるCT画像について、そのボリュームヒストグラムから特徴量パラメータ(Contrast、Entropy、Variance)を算出し、それぞれの疾患群における各特徴量の傾向について比較検討を行った。(1)主として気管支肺動脈周囲間質の肥厚像を示すもの(n=9:Multicentric Castleman Disease 6例、Sarcoidosis 3例)(2)主としてGround-Glass shadowを示すもの(n=6)(3)主としてHoneycombingを示すもの(UIP)(n=4)(4)主として小葉間隔壁の肥厚像を示すもの(Lymphangitis)(n=3)(2)Non-specific Interstitial Pneumonia(NSIP)と診断された患者のCT画像において、ステロイド投与前後における各特徴量の変化を検討し、t検定を用いて評価した。結果としては(1)(1)主として気管支肺動脈周囲間質の肥厚像を示すMulticentri Castleman Disease及びSarcoidosisに関しては、他の疾患に比べ、Contrastが高く、Variance・Entropyが低い、という傾向が得られた。(2)主としてGround-Glass shadowを示すものにおいてはContrast・Variance・Entropyの全てにおいて中程度の値となった。(3)主としてHoneycombingを示すもの(UIP)と(4)主として小葉間隔壁の肥厚像を示すもの(Lymphangitis)についてはContrastが低く、Variance・Entropyが高いという傾向がみられた。(2)NSIP6症例に対するステロイド投与前後の特徴量算出を行った結果、6症例全てに対して投薬後にContrastが上昇し、Variance・Entropyが低下するという傾向が得られた。t検定の結果、Contrastに関しては有意差有り(p<0.05)、Variance及びEntropyに関しては有意差無し(それぞれp=0.071,p=0.066)となった。ボリュームヒストグラムを用いた特徴量解析による自動診断の可能性が示唆された。また、薬剤投与前後における特徴量の変化が薬剤の有効性評価に対する客観的指標となるといえる。
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