研究概要 |
原因不明の間質性肺炎の全肺thin-section volumetric CT像にvolume histogram analysisを適用した。用いた高次統計量は、contrast, entropy, varianceの3つである。行った検討は1.usual interstitial pneumonia(UIP)とNon-specific interstitial pneumonia(NSIP)との鑑別、2.NSIPの治療効果判定指標の導出、3.acute interstitial pneumonia(AIP)の病態評価指標の創出、4.上記1-3を自動判定するsoftwareの開発の4点である。1に関しては肉眼・低倍率病理組織像上病期の時相が均一(temporal homogeneity)なことを特徴とするNSIPと不均一(temporal heterogeneity)なことが特徴であるUIPはCT画像のtextureもそれを反映するため、entropy, varianceはUIPではNSIPより高く、両者を用いて識別が可能であった。2に関しては正常では一定のcontrastを持つ肺がNSIPに罹患するとすりガラス影が増えるためcontrastが低下することより、contrastが治療判定指標になることが分かった。3に関しでは一門らの先行研究の成果をスコア化することに成功し、AIPの病態を反映する指標を、contrast, entropyの組み合わせで創出した。上記1-3の結果を自動化すべく、肺を2cm角の立方体のROIに分割し、各ROIでvolume histogram analysis可能で、各ROIの位置、各計測の順位を考慮した自動化判定ソフトウエアを作成した。
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