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2004 年度 実績報告書

医療事故防止のための電子カルテのシステム監査手法に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16500319
研究機関神戸大学

研究代表者

坂本 憲広  神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (00253485)

キーワード電子カルテ / 医療事故 / ヒアリハット / リスク分析 / システム監査
研究概要

本研究は、1)電子カルテのシステム障害事例の収集、およびそのリスク分析、2)電子カルテに関連した診療行為のインシデント、アクシデントの収集、およびそのリスク分析、3)リスク分析に基づく、電子カルテに対する安全性・信頼性要求モデルの構築、4)要求モデルに基づく、電子カルテの安全性・信頼性に関する監査チェックシートおよびテストケースの作成、5)電子カルテの安全性・信頼性の自動診断ツールの作成、という手順で行っており、本年度は、1、および2の事例の収集、分析、および3の安全性・信頼性要求モデルの構築を行った。
電子カルテのシステム障害事例の収集では、神戸大学病院の電子カルテシステムのログを全てCD, DVDなどのWrite-Onceのメディアに書き出し、障害発生時にはその発生前に遡りリスク分析が可能なシステムを構築した。平成16年9月より12月末までの障害事例は154件であった。これらの事例を原因別に詳細に分析すると同時に、その障害によって影響を受けた診療行為、受ける可能性のあった診療行為、影響の規模(関連する患者数)、影響の危険度(医療事故に繋がる可能性)など、の情報を収集した。これらの情報は、ログのように自動的には収集できず、人手を介して行った。このリスク分析の結果、電子カルテのシステム障害によって、投薬に関連したインシデント7例、注射に関連したインシデント3例、処置に関連したインシデント0例、検査に関連したインシデント12例、などを認めた。これらは、エラーのまま処理が進んでいたとすれば非常に重大な医療事故を引き起こす可能性があったが、全て人手によって引き継いで処理されたため、医療事故とはならなかった。情報システムだけではなく、ヒューマンシステムとの連結によってシステムが滞りなく運用されていることが確認されたが、一方で、内在するリスクについて定量的分析結果を得た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 電子カルテの証拠能力2004

    • 著者名/発表者名
      坂本 憲広
    • 雑誌名

      第24回医療情報学会連合大会講演集

      ページ: 128-129

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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