研究課題/領域番号 |
16500326
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
工藤 正俊 近畿大学, 医学部, 教授 (10298953)
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研究分担者 |
宗像 浩 近畿大学, 医学部, 教授 (90111294)
福永 豊和 近畿大学, 医学部, 講師 (90330315)
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キーワード | 肝細胞癌 / 腺腫様過形成 / 純動脈相イメージング / nodule-in-nodule / 血流イメージ / 高分化型肝癌 / 動脈血流 / 門脈血流 |
研究概要 |
今回の研究は全く新しい概念の血流イメージ法の開発にある。すなわち動脈と門脈の分離評価を単に定性的のみならず定量的に行うことにより肝発癌過程における血流の変化と非侵襲的かつ定量的にとらえる手法を開発した。まず、造影剤を静注投与し、大静脈から心臓、そして左心室から全身循環へ造影剤が回り、肝動脈へ至った瞬間の血流と上腸間膜動脈へまず血流が流れ、それらの血流が門脈に帰ってくる時間差のわずか数秒間の時間を機械的に決定することを可能とする手法の開発である。以上の結果より臨床的にはRaw Data保存から数秒間のデータを後処理で呼び出してきて、そのデータのMIP像を加算して表示することにより大きな門脈と動脈が明瞭に表示される。これに関心領域を設定し、動脈の立ち上がりの時間輝度曲線、および門脈の時間輝度曲線を設定する。この動脈と門脈の立ち上がりの差が肝動脈由来の血流の時間と門脈由来の血流の時間差として認識が可能となる。通常、人間においては動脈門脈の肝への血流到達時間は5秒から10秒程度の間とされるがこの間の画像全てを加算画像として表示することにより、結節内の血流が動脈由来であれば動脈だけで栄養される時相(pure arterial phase:純動脈相)のイメージが定性評価可能となる。また、この部分に関心領域を設定して輝度を計測することにより定量的な評価も可能となる。さらには腺腫様過形成や再生結節などは動脈から栄養されず、むしろ門脈からの血流が多いとされているが、この純動脈相より以降のmixed phase(動脈と門脈が混じり合うphase)の時相を血流表示することによりさらに純粋に門脈血流がどの程度、他の肝実質と比べて流入しているかという解析も可能となった。この手法により腺腫様過形成、早期肝癌、nodule-in-nodule肝癌、古典的肝癌の鑑別が造影ハーモニック法により可能となった。
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