研究課題/領域番号 |
16500331
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中馬 孝容 北海道大学, 病院, 助手 (70281805)
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研究分担者 |
生駒 一憲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70202918)
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キーワード | 連続経頭蓋磁気刺激 / パーキンソン病 / 前頭前野背外側部 / intracortical inhibition / stroop test |
研究概要 |
パーキンソン病に対して、高頻度の連続経頭蓋磁気刺激(rTMS)の投与部位を変化させることにより、運動機能および前頭葉機能への影響について検討した。症例は、66歳男性のパーキンソン病で、UPDRSは27点、Hoehn&Yahrの重症度分類stage2であった。方法は被検者の短母指外転筋のmotor thresholdを測定し、paired-pulse TMSを施行し、intracortical inhibition(ICI)とintracortical facilitation(ICF)を測定した。また、10m歩行時間および歩数、カウンターの押し回数、stroop testを測定した。rTMSは、10Hzの刺激頻度で総計1000回施行し、投与部位は右第一次運動野、右前頭前野の2種類および、シャム刺激の3パターンについて検討した。結果は、pp-TMSでは右第一次運動野への投与後では、ICFは増強し、ICIは低下傾向を認め、10m歩行時間および歩数ともに低下した。また、stroop testでは右第一次運動野、前頭前野ともにrTMS投与後時間短縮がみられた。以上、高頻度rTMSは運動機能および前頭葉機能に影響を与える可能性がある。 さらに、パーキンソン病9名に対して、左第一次運動野(M1)および左前頭前野(DLPFC)に各々10HzのrTMSを計1000回投与した場合とシャム刺激の3パターンについて、運動機能および前頭葉機能への影響について検討した。M1刺激では、rTMS後は右手の握力が有意に低下し、DLPFC刺激では、stroop test II-I時間の短縮傾向がみられた。左DLPFCへの高頻度rTMSは、前頭葉機能に影響を与える可能性がある。 高頻度rTMSの投与部位や刺激条件を検討する必要はあるが、前頭葉機能に対する臨床応用の可能性が推測された。
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