研究課題/領域番号 |
16500335
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森田 定雄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教授 (20202426)
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研究分担者 |
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30161714)
下川 仁彌太 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80014257)
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キーワード | 骨萎縮 / 無重力 / 廃用症候群 / 遺伝子 / シグナル伝達 / ストレス応答 |
研究概要 |
リハビリテーション医療で大きな問題となる廃用性骨萎縮を防止するために、力学的負荷あるいはストレスに応答する因子について、シグナル伝達との関連で検討した。非荷重モデルを用いて骨芽細胞の培養実験を行い、非荷重によって惹起される骨萎縮に関連する形質発現の変化と、この関連で非荷重によって鋭敏に発現上昇応答する遺伝子を選別した。具体的には、骨代謝で重要なIGF-Iシグナルに関連する分子群、あるいはそれに影響を及ぼすストレス応答性の分子群に注目し、今年度はパイロットスタディとして、非荷重ストレスによって最も顕著に誘導されるNO合成酵素(NOS)の遺伝子を検討した。つくば市にある重力環境制御付き人工気象室内で、重力加速度のベクトル方向を人為的にゼロにした状態、すなわち無重力模擬の条件下で、正常なMC3T3-E1骨芽細胞株を、培養した。その後1Gの平常状態に戻した直後にグアニジン液で細胞の核酸を抽出した。カラム精製後、DNAのみを選択的に酵素分解し、高純度のRNAを回収した。このRNAを用いてReal Time RT-PCR(逆転写-ポリメラーゼ鎖増幅反応)を行い、骨芽細胞内で発現するNOS遺伝子の転写産物量を定量的に測定することに成功した。無重力模擬条件で骨芽細胞内にNOS遺伝子が誘導され、これがストレス性の応答を惹起し、最終的に廃用性骨萎縮の発症へとつながるのであれば、このNOS遺伝子発現を強制的に抑制してやれば、予防することができる、というシナリオの基礎データを取得することができた。次年度にこの遺伝子に対するRNA干渉を用いて、その仮説の正当性を調べる予定である。
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