研究課題/領域番号 |
16500345
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
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研究分担者 |
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20117493)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30325782)
田中 信行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40041454)
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キーワード | 反復促通訓練 / 経頭蓋磁気刺激 / 上肢機能評価 / 脳卒中 / 片麻痺 / 巧緻動作 |
研究概要 |
慢性期の脳卒中上肢片麻痺患者6名において、1-2ヶ月間、麻痺側上肢、手指への反復促通と経頭蓋磁気刺激の併用訓練を行なった。経頭蓋磁気刺激で麻痺側運動野を刺激し、促通手技によって引き出した筋収縮を増大させ、目的とする随意運動が発現しやすいようにした。磁気刺激は0.3-1Hzの低頻度で、閾値前後の強さで運動野を刺激し、それに同期させて麻痺側肩や上肢、手指の運動を、1日100-300回、週5日行った。 臨床医の評価としては、麻痺側肩関節の随意的な動作や手指機能において改善を認めたが、Brunnstrom stageや上田12 gradeでは、明らかな改善を認めなかった。このため、上肢や手指の巧緻動作を正確に評価するために、各種の機器を用いた評価法を工夫する必要がある。 評価法の一つとして、上肢機能評価装置を用いて、麻痺の客観的評価にとって有用なパラメータの検出を行なった。被験者にペンを持って軌道追従の描円を行なってもらい、その軌道、速度、加速度、その変動係数等のパラメータを比較した。また、評価中の机の高さ、描円する位置、部屋の明るさを一定にして、環境によって結果が左右されないよう注意した。解析結果からは、描円中の加速度の変動係数などのパラメータが有用で、これらを総合的に評価することで、麻痺の改善度を検出できると思われる。 今後、タッピング等も含めて上肢、手指、下肢の評価方法の検討を進める。また、反復促通訓練のみのコントロール期間を設定し、その期間の麻痺改善度と比較して、経頭蓋磁気刺激併用の効果を実証する必要がある。
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