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2004 年度 実績報告書

高齢者の健康増進のための運動はどこまで強度を下げても有効か?

研究課題

研究課題/領域番号 16500351
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

樋渡 正夫  国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20189898)

キーワード高齢者 / 低強度運動負荷 / 運動療法 / 呼吸機能
研究概要

今年度の研究では、国際医療福祉病院および附属老人保健施設に入院・入所中の高齢者12名に、3回/週以上、約3ヶ月間継続して運動療法を実施した。運動療法には自転車エルゴメーターを使用し、定量負荷をかける形で実施した。運動強度は目標心拍数=安静時心拍数+(年齢-220)-安静時心拍数x0.3とし、運動時間は30分以上とした。その結果、同一負荷に対する心拍数の増加が10名で抑制され、運動療法効果が得られたと考えられた。しかし、高齢者では筋力の増加は認められなかった。
一方、40-60歳の8名で目標心拍数=安静時心拍数+(年齢-220)-安静時心拍数x0.4の運動療法を継続した結果、同一負荷に対する心拍数の増加が抑制され、筋力増加も5名で認められた。
これらの成績から、これまで運動強度として提唱されてきた嫌気性代謝閾値より低い運動強度での運動療法継続でも、健康増進に十分貢献する可能性が示唆された。
このような低強度での運動療法継続は、呼吸機能障害を有する患者でも有用であると考えられ、その予備的な研究をかねて、胸部外科手術後の患者の肺機能変化についても検討を行った。手術後に理学療法を施行することで、肺機能の回復が促進することを確認できたが、退院後に対象者は必ずしも運動療法を継続できなかったため、運動療法の継続効果を確認できていない。この点については、今後、肺機能の推移と共に検討したいと考えている。
健常者では、嫌気性代謝閾値レベルでの運動負荷時に、血液中の乳酸をはじめとする物質がどのような時間経過で変化するかについて検討した。特に、野菜ジュースを摂取することが乳酸産制抑制に働く可能性が示唆される報告があることから、リコピンやカルチノイドなどの変化を追跡しているが、まだ特定の結論を出せるような成績は得られていない。
次年度は、これらの研究をさらに症例数をふやして検討する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 脳卒中医学の最前線2004

    • 著者名/発表者名
      樋渡正夫
    • 雑誌名

      理学療法科学 19

      ページ: 27-30

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 第3回全国障害者スポーツ大会参加都道府県,政令市選手団のメディカルチェック実施状況について2004

    • 著者名/発表者名
      高橋邦泰, 樋渡正夫
    • 雑誌名

      日本臨床スポーツ医学会誌 12

      ページ: S102

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 施設入所高齢者に対する12週間の低強度運動負荷トレーニングプログラムの効果 自律神経活動・運動機能に及ぼす影響2004

    • 著者名/発表者名
      西田祐介, 樋渡正夫, 丸山仁司
    • 雑誌名

      理学療法学 31

      ページ: 202

  • [雑誌論文] 壮年期有訴者の活動状況と運動機能の関係2004

    • 著者名/発表者名
      金子純一郎, 黒澤和生, 樋渡正夫 他
    • 雑誌名

      理学療法学 31

      ページ: 322

  • [雑誌論文] 胸部外科術後早期からの肺機能の推移2004

    • 著者名/発表者名
      森沢知之, 金子純一郎, 樋渡正夫他
    • 雑誌名

      理学療法学 31

      ページ: 340

  • [図書] 老年医学 (高齢者のリハビリテーション)2005

    • 著者名/発表者名
      樋渡正夫
    • 総ページ数
      275
    • 出版者
      中外医学社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 看護のための最新医学講座[第2版] 循環器疾患 (高血圧性緊急症)2005

    • 著者名/発表者名
      樋渡正夫
    • 総ページ数
      528
    • 出版者
      中山書店

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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