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2005 年度 実績報告書

ひとの歩行中における脊髄反射回路の変化についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 16500356
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

正門 由久  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (10173733)

研究分担者 木村 彰男  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70118941)
大田 哲生  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20233132)
キーワードヒト / 歩行 / 筋電図 / H反射 / Ib inhibition
研究概要

平成16年度、足底筋から下腿筋や大腿筋への投射回路の研究についての研究を行い、足底神経から下腿筋への投射について検討した。その研究結果より、母指底屈筋である短母指屈筋(FRB)からヒラメ筋に対する短潜時の抑制は、その一部分にIb inhibitory pathwayを含んでいるものと考えられた。平成17年度は歩行中に、本回路がどのように変化していくのかを検討した。持続収縮中には、収縮力の増加に伴って、抑制量が増加した。立位時では抑制量に変化はなかった。歩行中、かかと接地をトリガーとして、歩行中のヒラメ筋筋電図量を測定した。その後かかと接地をトリガーとして、足底神経を刺激し、その抑制の程度が持続収縮中と異なるのかについて検討した。その結果立脚期後半には、Ib抑制が減少し、促通へと転じた。ネコにおける研究でも、Ib群線維からの抑制は立脚期に促通に転じ、下肢伸筋活動量を増加させることが報告されている。ヒトにおいても同様の機序が働いており、この機序にはIb群線維が受容器となって荷重量の変化の検出に関与しているものと考えられた。一方ヒラメ筋運動ニューロンの興奮性の指標として、ヒラメ筋H反射を用いた研究も行った。歩行中、H反射を膝窩部で電気刺激し、ヒラメ筋より記録した。条件刺激は、足底神経に運動閾値の1.2倍の刺激を入れた。条件-試験刺激12-14msで抑制がみられたが、歩行中では表面筋電図での結果と同様に、その結果立脚期後半には、抑制が減少した。以上の結果から、歩行中にはIb群線維からの抑制は立脚期に促通に転じ、下肢伸筋活動量を増加させるものと考えられた。動物実験でも同様なことが報告されている。ヒトにおいても同様の機序が働いており、この機序にはIb群線維が受容器となって荷重量の変化の検出に関与しているものと考えられた。来年度は、下肢への加重を体のつり上げ装置を利用し、調節し、その際に抑制量が変化するかどうかについて検討したいと考える。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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