研究課題
基盤研究(C)
研究の目的Penfieldらによって発表されたヒト運動皮質・感覚皮質の体部位再現を表すホムンクルスの図では、中心溝をはさんでほとんどの体の部位の運動・感覚領域が向かい合う位置にあるが、頚部の運動領域は顔と手指の間にあるのに対し感覚領域は手指と体幹の間に位置しており運動領域と感覚領域が大脳の中で離れた位置にある。我々はこのような特殊性が特発性痙性斜頚の発生要因やSensory trickの機序に関わっていると考えた。このような臨床的な疑問を解明する第一歩として、頚部・手指・顔面の感覚・運動野での位置関係を非侵襲的な脳のマッピング手法である脳磁図及び経頭蓋磁気刺激を用いて検証した。運動誘発電位を用いた研究右利きの健常者を対象として、顔面筋として口輪筋、手指筋として第1背側骨間筋、頸部筋として胸鎖乳突筋を選択し、それぞれの筋に対する大脳皮質の位置関係を経頭蓋磁気刺激による1次元マッピング法を用いて検討した。その結果、頭皮上で各部位の運動領域の中心は顔面で中心線から9〜10cm、手指で5〜6cmであったが、頸部では中心から2〜3cmと6-7cmと2箇所でピークを認めた。このことから、頸部の筋の運動領域はPenfieldらが発表した手指と顔面の間だけでなく、感覚領域と向かい合う体幹に近い場所にも存在することが示唆された。脳磁図を用いた研究正中神経(手関節部)、示指、短母指外転筋の運動点をそれぞれ刺激して体性感覚誘発脳磁界を測定した。正中神経の刺激では潜時20ms、30ms、40ms、60ms付近、示指の刺激では20ms、30ms付近、短母指外転筋の刺激では70ms付近に振幅のピークを認めた。これらのピークにおける等価電流双極子はすべて一次感覚野付近にみられ、手指の感覚領域に対応していると考えられた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (8件)
臨床神経生理学 35巻5号
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Jpn J Clin Neurophysiol 35(5)
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