研究概要 |
本研究はコンピュータ支援による義足ソケット製作として,立位姿勢での撮影が可能な超音波診断装置により下肢切断者の内部組織を得て,各組織の自動輪郭抽出を行う.自動抽出後に各組織の三次元画像構築と三次元モデリング及び力学解析を行うことにより,今まで経験に頼ってきた義足ソケット製作に,圧力やずれの負担を軽減できるソケット製作への導入を図った.さらに,筋肉の識別として筋線維の自動抽出から,この手法を用いて筋線維と腱膜の自動抽出から筋線維の形状モデル自動生成システムの開発を行い,ヒトの不随運動である伸張反射応答のメカニズムを明らかにすることを目指した. 研究実績は,下肢が動かないようにした状態での撮影装置と超音波画像の二次元での画像合成を行うソフトウエア開発を行い,下肢断面の画像を得た.この画像から皮膚層,筋肉,骨の各組織の領域抽出を行うためのアルゴリズムを考案し自動抽出を試みた.CADデータに基づいた三次元モデルの製作では,CADデータに基づいた皮膚形状の切削モデルとラピットプロトタイピングによる積層モデルを製作し,この陽性モデルを基に義足ソケット製作を試みた.骨の精度検証と骨の自動抽出では,超音波画像では骨の輪郭が明確に表れないため,解剖学的な骨のモデルを用いて骨の輪郭を抽出するソフトウエアを開発し,骨の位置を考慮したソケットを製作し評価を行った. 筋線維と腱膜の自動抽出から筋線維の形状モデル自動生成システムの開発では,従来,静止画像から手作業で抽出していたものを、まず静止画像から腱膜と多数の筋線維を抽出する方法として、分離度フィルターと2値化・ラベリング及び最適化法を採用し、ソフトウエアを作成した.
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