研究課題
対象者15名(健常成人)。方法:運動野(M1)と前頭前野(Fz)の部位に安静座位にて凹面円形コイルを用い閾値の1.2倍、0.2Hz、100回の低頻度反復経頭蓋磁気刺激を施行。刺激前後にMEP、CSP及びF波を導出し、CSPの潜時、F波の振幅などの変化を比較検討した。波形の導出は右短母指外転筋より行い、MEPは閾値の1.2倍、CSPは筋電図バイオフィードバックを用い最大筋活動の15%の随意収縮下に閾値の1.2倍刺激で導出した。結果:M1刺激とFz刺激の双方で刺激前後のF波の振幅に有意差は認めなかった。M1刺激では1名、Fz刺激では7名にCSP潜時の有意な延長(p<0.01)を認めた。今回の条件下ではM1刺激に比べ、Fz刺激がより大脳皮質内の抑制機構が働くことが示唆された(第42回日本リハビリテーション医学会学術集会で発表)。対象者17名(健常成人)。上記方法にて閾値の0.9倍、0.8Hz、250回の低頻度反復経頭蓋磁気刺激を加えて検討。結果:閾値、MEP振幅・面積、F波振幅の変化はなかった。M1刺激では低頻度・閾値下刺激(閾値の0.9倍、0.8Hz)、Fz刺激では低頻度・閾値上刺激(閾値の1.2倍、0.2Hz)においてCSP潜時の有意な延長(p<0.05,p<0.01)を認めた。2条件での大脳皮質内の抑制機構が働くことが示唆された(第4回国際神経リハビリテーション学会にて発表)。パーキンソン病患者2名。上記方法にて前頭前野(Fz)の蔀位に閾値の1.2倍、0.2Hz、100回の低頻度反復経頭蓋磁気刺激を施行。1名にCSPの潜時の有意な潜時の延長(p<0.05)を認めた。閾値、MEP振幅、F波振幅の変化は認めなかった。