研究課題/領域番号 |
16500367
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
種村 純 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90289207)
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研究分担者 |
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117)
村井 俊哉 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30335286)
種村 留美 京都大学, 医学部, 助教授 (00324690)
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キーワード | 遂行機能障害 / 評価 / 訓練 / 前頭葉損傷 / 社会行動障害 |
研究概要 |
1.各種遂行機能評価法および訓練法の適応の検討 遂行機能障害例の臨床評価成績の分布から遂行機能を構成する下位機能について検討した。対象者は遂行機能障害52例、平均37.4歳。原因疾患は外傷性脳損傷、脳血管障害、脳炎などであった。検査成績から遂行機能障害例は背景に前向健忘、見当識障害、注意散漫、自発性低下、反応抑制の低下などの障害が認められた。遂行機能検査ではいずれの下位検査でも成績の分散が大きく、活動の体制化、working memory、反応抑制が遂行機能の重要な構成機能と考えられた。またほんどの対象者に対し注意の持続、選択、変換、に関する訓練が行われ、遂行機能の訓練では問題解決、遂行課題の直接訓練および外的補助法が行われていた。また、注意、記憶、知能に明らかな障害がなく、意志決定能力に低下を示した症例に対する介入研究を行った。 2.遂行機能障害の評価法の確立 遂行機能障害を評価する検査法としてIowa Gambling Taskおよびヴィゴツキー検査のコンピューター版の開発、実生活面での行動障害の評価法として、前頭葉損傷に伴う行動変化を評価する質問紙Frontal Systems Behavior Scale (Grace et al., 2001)の日本語標準化を進めている。これらの諸検査を10名の前頭葉損傷患者に施行、脳損傷部位、神経心理学的検査結果、実生活での社会行動障害の関連について、雑誌論文として発表した。 3.遂行機能障害例に対する集団訓練 4例を対象として遂行機能改善を目指した集団訓練週1回、計16回を行った。料理、買い物、作品作成等を行った。対象者間でのモニタリングを通じた対策や自省が有益であった。 4.高次脳機能障害者の障害と生活行動に関する実態調査 岡山県における高次脳機能障害者345名から回答を得た。身体障害および認知障害の有無・重症度により日常生活・社会適応は大きく相違していた。
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