研究概要 |
平成17年度に得られた成果、及び課題は以下のとおりである。 1.日本の体育カリキュラムに影響を及ぼしている権力構造について検討を行い、カリキュラム支配の階層として、「レベル0:政府間の条約、国際的な声明・宣言など国際的合意」、「レベル1:経済界、スポーツ組織その他の要請・圧力など」、「レベル2:文部科学省における答申、学習指導要領など国の教育行政」、「レベル3:地方の教育行政」、「レベル4:学校、教師集団など学校経営」、「レベル5:教師-生徒、生徒-生徒の相互作用」の6レベルが見出せた。 2.一年次に入手した平成元年の学習指導要領(体育)の作成過程に関する各種会議の詳細な記録をもとに、上記1に示したカリキュラムの支配構造の視点から検討を行った。この結果をもとに、この指導要領作成に関わった研究者へのインタビュー調査の必要が見出された。 3.イギリスにおいて進められている体育カリキュラムとポリティクスに関する研究について、特に"Politics, Policy and Practice in Physical Education"(Penny, D.and Evans, J.)、"Gender and Physical Education"(Penny, D.)を中心に検討を進めた。特に重要な章については、逐語訳を進めることとした。 4.イギリスの体育カリキュラムについて検討を進めた結果、先進的な研究を展開している研究者を招聘し意見交換をする必要が見出されたため、招聘のための協議を開始した。
|