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2004 年度 実績報告書

身体運動技能の教授と模倣に関わるヒトの認知過程-その運動神経生理学的機序の解析-

研究課題

研究課題/領域番号 16500380
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

笠井 達哉  広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60112702)

キーワード認知 / 言語 / イメージ / 運動野 / 運動誘発電位 / 言語野(ブローカ中枢) / ミラーニューロン / ヒト
研究概要

ヒトはどのようにして他人の心を知ることが出来るのであろうか?ヒトを理解するうえで必要欠くべからざる重要な条件の一つとして、お互いが同じ経験を共有しているとき、その場面においてヒトは共通の心理的・生理的変化を伴い、それをお互いが共有することである。このような共有経験を繰り返すことを基本にして、お互いに理解しあっているのではないかと考えられる。
この仮説を裏づける有力な証拠として「ミラーニューロン」の発見が注目を集めている。それは、他人がある動作を実行しているとき、それを見ているヒトの言語中枢(ブローカ言語野)にも、実際に自分がその動作を実行しているときと同じように、活発な活動性の変化を示す神経細胞があることが報告されている。実際には行っていな運動を頭の中で想像する(イメージ)ことによって、その動作を自分が実際に実行するときに活動するのと同様にその活動性を高める細胞であり、その活動性の変化を示す出現事態から「ミラーニューロン」と呼ばれている。しかもこのニューロンが存在する中枢部位は、ブロードマンの脳地図による53〜54野に当たり、ブローカの運動性言語野言語野に重なる部位にある。またこの部位は、手の微細な運動の実行に関係する部位でもある。この事実から、現在のところヒトにおいてのみ特別に発達してきた「言語中枢」の機能との関係に注目が集まっている。すなわち、内言語として既知ように、実際の身体活動の実施には言語活動が必ず伴うことから、両者の密接な関係の存在が示唆される。
そこで、運動機能の中枢をなす「ヒトの運動野」に関して、その部位の興奮性を高める「運動イメージ法」と「磁気刺激法」を駆使して、言語機能と運動機能との中枢神経系機能の異動とその関係をシステマティックに解析した。その結果、運動イメージはその運動を繰り返し行うことによって質的に変容し、結果として運動皮質細胞の閾値が変化することが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Excitability changes in human hand motor area dependent on afferent inputs induced by different motor tasks2004

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, M. et al.
    • 雑誌名

      Experimental Brain Research Vol.158

      ページ: 527-532

  • [雑誌論文] Remote effects of voluntary teeth clenching on excitability changes of the human hand motor area

    • 著者名/発表者名
      Sugawara et al.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters In press

  • [雑誌論文] Modulation of input-output properties of corticospinal tract neurons by repetitive dynamic index finger abductions

    • 著者名/発表者名
      Yahagi et al.
    • 雑誌名

      Experimental Brain Research In press

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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