研究概要 |
本研究は,就学前教育における体育的活動と小学校体育との接続を企図した教育課程の構想および実践研究システムの構築に向けた基礎的作業を試みようとするものである. 平成17年度は,小学校以降の学校階梯との縦断的な分析を視野に入れた生活スタイル調査票の作成を試み,幼児期の生活スタイルの実態に関わる予備的調査を実施した.さらに,子どもの成長,発達との関係に関わる予備的考察として「生活スタイル」と「運動能力」との関係について検討した. そこでは,「三間(時間,空間,仲間)の喪失」「ス漬(スクリーン,スクール,スポーツ)の生活」といった生活様式が広がる中での「遊びの変質」が,子どものからだ,運動能力の成長・発達の影響を及ぼしていることが示唆された. さらに,参加観察をともなうカンファレンスを試行的に実施した。すなわち,保育者,小学校教師がお互いの学校階梯での保育・授業を参加観察し,カンファレンスにおいて,以下のような課題についての検討を行った. (1)実践者が抽出した「気になる子ども」の就学前教育における体育的活動や小学校低学年体育での活動事例の収集,(2)小学校教師および研究者による保育の参加観察の実施方法,(3)就学前の遊び体験の成果がどのように小学校以降の学習に転移していくかを子どもの発達と教科内容との関連からの検討.
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