研究課題
基盤研究(C)
本研究における成果をまとめると、これまで一流スキージャンプ選手の踏み切り局面における構えおよびサッツ動作の解析を行うことができた。それと合わせて、足底部圧力分布と圧力中心点(COP)の移動の特徴を解析した。その結果次のような知見を得ることが出来た。(1)バイコンシステムによる3次元画像解析装置により、選手のサッツ動作時における構えのシミュレーション実験を行い、身体重心位置(COM)を特定するとともに、地面からのベクトルが圧力中心位置(COP)といかなる関係にあるかを静的な条件のみならずダイナミックな状態で記録し、すぐさまそれを分析して、その場でコーチ・選手に結果を呈示することを可能とした。このことにより、研究者がその実験資料の意義をについて解説・説明し、その場所で資料を基に、選手・コーチと共に結果と今後の取り組み方等を論議することができるようなシステムを構築できた。(2)足底圧のCOP移動軌跡から、一流選手の特性として、サッツ動作を行わせた際の移動軌跡を分析した結果、COPが足部の尖端近くにまで及んでいるものと、その手前で終了してサッツ動作を行っているものとがあった。その違いは、サッツのテクニックおよび跳躍の高さと関係があることが判明した。ある一流選手のサッツ直後のスキー板の変動とサッツ動作の選手の特性との関係が明らかとなり、選手・コーチの疑問に対してその場で、実験資料を基にアドバイスなど指導することができることが示された。その結果、オリンピック直前に代表選手の一人は、自分が抱いていた疑問を払拭して自信を持って自己のサッツ動作を行いトリノのオリンピックに出場した。良い成績を上げることができた。このたびの研究における成果の一つであり、我が国のオリンピックの成績に貢献できたと考える。今後の指導のあり方に、具体的な方向を示すことが出来た。
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すべて 雑誌論文 (3件)
バイオメカニクス研究 10
ページ: 43-51
第57回に本体力医学会中国・四国地方会(予稿集)
ページ: 10-11
Japanese Journal of Biomechanics in sports and Exercise Vol.10,No.1