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2004 年度 実績報告書

トレーニングが高強度運動による筋小胞体ATPaseタンパクの酸化を防御できるか?

研究課題

研究課題/領域番号 16500419
研究機関大阪市立大学

研究代表者

松永 智  大阪市立大学, 体育学研究室, 講師 (70221588)

研究分担者 渡辺 一志  大阪市立大学, 体育学研究室, 助教授 (50167160)
和田 正信  広島大学, 総合科学部, 教授 (80220961)
キーワード高強度運動 / 高強度トレーニング / 筋小胞体 / タンパク酸化 / Ca^<2+>-ATPase
研究概要

筋小胞体は、筋収縮・弛緩のトリガーである細胞内のカルシウムイオン(Ca^<2+>)濃度を制御する。近年、この器官の機能不全が筋疲労を招来する大きな要因として注目されている。我々は今までの先行研究において、筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseタンパクの酸化がこの機能不全に関与していることをみいだした。しかしながら、トレーニングにより筋小胞体機能が亢進し、このCa^<2+>-ATPaseの酸化の防御に貢献する可能性が推察されるが、詳細についてはいまだ不明である。本研究では、高強度トレーニングが筋の疲労軽減に貢献するという仮説を立て、その検証を行うことを目的としている。本年度は、トレーニング実験を行うための予備実験として、一過性の高強度運動による筋小胞体機能の変化と筋小胞体Ca^<2+>-ATPaseタンパクの酸化・還元との関係について、特に運動後の時間経過に伴う疲労回復局面に着目し検討を行った。実験動物には、10週齢のWistar系雄性ラット40匹を用いた。これらを対照群及び実験群とに分け、実験群には電動式トレッドミルランニングを用いて、最大酸素摂取量の100%に相当する負荷強度にて(10%勾配、分速50m)で疲労困憊まで走運動を行わせた。運動終了直後、終了15、30、60分にそれぞれ、外側広筋及び腓腹筋表層部、ヒラメ筋、足底筋を摘出し、分析に供した。SR Ca^<2+>-ATPase活性は、外側広筋及び腓腹筋表層部において運動直後に有意な低下(P<0.01)を示し、60分後に運動前の値に回復した。反対に酸化の指標となる、ウエスタンブロッティングを用いたCa^<2+>-ATPaseのカルボニル量は、運動直後に5%水準で有意な増加を示し、60分の回復時間を経て運動前の値に回復した。これらのことから、筋小胞体機能の低下と回復は、タンパクの酸化と還元に強い関係があること、また回復過程を調べる上で、その回復に要する時間は高強度運動終了後60分間は必要であることが明らかになった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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