研究概要 |
1.「可視化スキー操作」制作法の改良 マルチボディシステムの胴体部分を三分割し,胴体の曲げとねじりを考慮できるようにした.この改良により,より人間らしいスキーヤー姿勢を作成できるようになった.また,連続したビデオ画像から擬似的な三次元画像を作成するソフト「KROPS」を購入してスキー操作の制作に応用した.この結果,スキーヤー関節の三次元データを「KROPS」で読みとり,そのデータを用いて三次元CADソフト「Solid Works」でスキーヤー姿勢を簡単に作成出来るようになり,「スキー操作」作成の作業性が向上した.さらに,今年度購入したノンリニア編集装置の画像編集能力の向上により,「可視化スキー操作」の制作,編集作業が格段に向上した. 2.「定量化スキー操作」の計算と計算法の改良 制作した「可視化スキー操作」より、スキーヤーの重心位置,スキーヤーの重心に作用する慣性力と重力,エッジング角度を時間の関数として数値化した.次に,スキーヤーの下半身を下肢,上腿および腰部に分解し,それぞれの関節に作用する力とモーメントの平衡条件を考慮するとともに,筋力に起因するモーメントの概念を導入することにより,左右のスキー板に作用する力とモーメントを分離するための計算式を導いた.実際に実験と計算を繰り返し行った結果,今後検討の余地はあるが,本研究で導いた解析方法により,スキーヤーから個別のスキー板に作用する力とモーメントを計算により求め得るとの確信が得られた. 3.成果の発表 上記2.で得られた成果を平成17年3月20日に開催された日本スキー学会第15回大会講演会で講演発表した.纏まり次第,日本スキー学会誌等に投稿する予定である.
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