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2005 年度 実績報告書

若年期の運動習慣ガアレルギー予防におよぼす効果に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16500433
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

矢野 博己  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (20248272)

キーワードOVA / IgE / Th1 / Th2 paradigm / toll-like receptor 4 / C3H / HeJ mice / IL-12 / LPS / flowcytometer
研究概要

昨年度,急性運動が血中LPS濃度を増加させることを明らかにし、さらにこのLPSの投与によって、卵アレルゲンであるOVAの特異的IgE抗体価の明らかな増加抑制を観察した。また、Th1/Th2バランスも,LPS/OVA投与で,Th1優位に傾くことが観察された。さらに,アレルギー抑制にはたらくサイトカインIL-12は、LPS受容体tlr4異型マウスマクロファージで強く抑制されていた。したがって、運動がLPSの吸収を亢進させ、吸収されたLPSがOVAアレルギー感作を抑制し,その結果アレルギー発症が抑制できるのではないかとの仮説が成立した。今年度、この仮説検証のため、アレルギー反応の抑制効果を、アナフィラキシーショックを指標として検討した。また、アナフィラキシーショックのメディエーター、ヒスタミンの血中動態も測定した。さらに、マクロファージを介したアナフィラキシーショックの可能性について、特異的マクロファージ除去薬(リポーソーム封入ビスフォスフォネート)を用いた検討も行った。その結果、LPSは明らかにOVA特異的抗体価(IgE, IgG1)を抑制し、血中ヒスタミン濃度の上昇を抑制したものの、対照群と同様に体温の著しい低下をともなったアナフィラキシーショック症状を示した。この現象は、マクロファージ除去マウスを用いても同様であった。したがって、LPSの効果は、抗体価抑制やヒスタミンなどのメディエーター分泌抑制には作用するものの、アナフィラキシーショックそのものの抑制効果にまでは至らない可能性が示唆された。今後さらに、他のアレルギー反応におよぼす効果について詳細な検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 衛生仮説と運動-運動はアレルギーを抑制できるのか-2005

    • 著者名/発表者名
      矢野博己
    • 雑誌名

      川崎医療福祉学会誌 15・1

      ページ: 1-11

  • [雑誌論文] Involvement of Ras/Extracellular signal-regulated kinase, but not Akt pathway in risedronate-induced apoptosis of U937 cells and its suppression by cytochalasin B2005

    • 著者名/発表者名
      H.Fujita
    • 雑誌名

      Biochemical Pharmacology 69・12

      ページ: 1773-1784

  • [雑誌論文] Teaching English to sophomores in the Department of Health and Sport Science2005

    • 著者名/発表者名
      M.Kremenik
    • 雑誌名

      Kawasaki Journal of Medical Welfare 11・1

      ページ: 55-61

  • [雑誌論文] Heat-killed Propionibacterium Acnes up-regulates Toll-like receptor 4 on macrophages2005

    • 著者名/発表者名
      D.Shiva
    • 雑誌名

      Kawasaki Journal of Medical Welfare 11・1

      ページ: 9-13

  • [雑誌論文] Wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis is induced by gliadin treatment2005

    • 著者名/発表者名
      H.Kozai
    • 雑誌名

      Immunology Letters 102・1

      ページ: 83-90

  • [雑誌論文] 海での水泳実習中における状態不安の変化に及ぼす泳力と性差の影響2005

    • 著者名/発表者名
      桶美幸
    • 雑誌名

      岡山体育学研究 12・1

      ページ: 25-34

  • [図書] 改訂 動く、食べる、休むScience(健康づくりの生理学)2005

    • 著者名/発表者名
      上田伸男
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      アイ・ケイコーポレーション

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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