研究課題
基盤研究(C)
本研究では、最大下の正弦波運動負荷テストによる体力・健康の評価法を開発することを目的とした。すなわち、自転車運動の負荷を正弦波状に変化させ、それに対する生体反応の応答特性を、(1)負荷の変化量に対する生体反応の変化量、(2)負荷の変化に追従する反応の速さ、を計測し、それらの指標から健康や体力を評価できないかと考えた。正弦波負荷運動に対して生体反応(心拍数)は負荷変化よりもやや遅れて変化し、その遅れや変化の大きさは個人によって異なる様相を示した。その特徴をまとめると、運動習慣があり、体力レベルが高い者ほど、反応が速く、かつ大きいこと、すなわち、負荷変化に対する追従性に優れることが明らかとなった。また、運動習慣のなかった者に定期的な運動トレーニングを課すことによって、追従性が改善することも明らかとなった。そこで、循環動態をより包括的に評価するために、心拍数以外に血圧、心拍出量をbeat-by-beatに同時に測定できるようなプログラムシステムを開発した。すなわち、心電計と血圧計から、心電図波形と容積脈波をA/D変換して一つのコンピューターに同時に取り込み、それぞれの波形から、心電図R-R間隔と心拍数、最高、最低および平均血圧、一回拍出量を自動計測するプログラムを開発した。その計測システムの妥当性について検討した。この計測システムを用いて、正弦波負荷運動中の生態反応(特に循環動態)について、より包括的に検討していくことによって、体力や運動習慣によって生体反応にずれが生じるメカニズムを評価でき、さらにその意義を明らかにできる可能性があり、今後これらについて、研究を継続していく予定である。
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日本運動生理学雑誌 14(印刷中)
J.Exercise Sports Physiol. 14(in printing)
筑波大学体育科学系紀要 29
ページ: 23-33
Bull.Inst.Health & Sports Sci., Univ.of Tsukuba 29