研究概要 |
大学新入生に対し"喫煙防止および骨密度増加の呼びかけ・支援"をし、その効果を評価した。生活習慣病予防および女子学生については将来の母子保健の向上をはかることも目的とした。 1,新入生オリエンテーションでのたばこ健康教育:対象はS大学の新入生約500名 (1)たばこ健康教育および評価 (1)入学後1、2年で喫煙を開始するものが多いこと、喫煙者が"友人にたばこをすすめない"ことの重要性をリーフレット(A4カラー両面刷り"たばこ編"および"骨密度編")を用いて説明した。 (2)禁煙サポートシステムの紹介。大学禁煙化プロジェクトによる無料携帯メールサポートヘの登録を呼びかけた。1から3年生中心に呼びかけた(喫煙者は数百名)が、登録したのは若干名であった。 (3)平成13年度から実施した(1)のたばこ健康教育の評価を在学生に対して質問票調査を平成16年12月に実施した。男子1〜4年生回答者の非喫煙者のうち「たばこ健康教育の影響があった」と回答したものは1年生から順に16名(約10%)、16名(6%)、4名(3%)、1名(11%)であった。同じく女子は、それぞれ14名(約12%)、8名(7%)、4名(4%)5名(21%)であった。 (2)骨密度増加 (1)平成17年度新入生の学生健康診断時に希望者に骨密度測定を実施した。受検者は男子53名(新入生の約18%)、女子40名(約21%)であった。 (2)平成16年度1年生に対し秋に希望者38名(男子14名、女子24名)に同様に骨密度を測定し、半年後の平成17年春学生健康診断時29名について再測定を実施した(再受検率約76%)。女子学生の再受検率は100%で、そのうち骨密度が増加した者が約42%であった。 今後は、大学新入生へのたばこ健康教育を普及すること、喫煙者の禁煙サポートヘの参加率や骨密度増加への関心を引き上げるための行動変容手段の検討等が必要と思われた。
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