研究概要 |
18年度(最終年度)は、16,17年度に開発した携帯電話とWebテクノロジーを活用した個人健康管理システムの評価を中心に研究を行った。このシステムでは生活習慣病の予防を目的とし、3ヶ月以上に亘り日常の健康と生活習慣に関するデータを蓄積すると、データ解析(健康データマイニング)を実行し両者の相関ルールを抽出する。先ずボランティアユーザを広く募集するために以下の項目を実施した。 (1)システムを利用できる携帯電話のマルチキャリア(シェアの高い3大キャリア)対応化。 (2)ボランティアユーザ向けのシステム利用マニュアル作成。 次に、3ヶ月以上に亘り日常の健康と生活習慣に関するデータの蓄積を行ったボランティアユーザについて健康データマイニングを実施し、複数のユーザについて以下の関係において健康管理に有用な相関ルールを抽出した。 (1)血圧および体脂肪率と歩数および睡眠時間 (2)体脂肪率と運動による消費エネルギーおよび食事による摂取エネルギー (3)体脂肪率、基礎代謝および血圧と大豆たんぱく質の摂取 また、軽度の糖尿病を患うユーザについて以下の関係において興味深い相関ルールを抽出した。 (1)HbAlcと穀物、アルコールおよび野菜摂取量 (2)食前血糖値と穀物および肉・魚・豆類摂取量 さらに、時系列的に蓄積されたデータを手動で解析することにより、 (1)大豆たんぱく質の継続的摂取が時間遅れをもって体脂肪率や基礎代謝に影響を与える (2)運動による消費エネルギーと食事による摂取エネルギーがそれぞれ異なる時間遅れをもって体脂肪率に影響を与える などの知見を得た。 これらの成果については、平成19年8月オーストラリアで開催予定の第12回世界医療情報学会にて発表予定である。
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