研究課題/領域番号 |
16500468
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用健康科学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 (2007) (財)東京都医学研究機構 (2004-2006) |
研究代表者 |
佐藤 知絵 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 産総研特別研究員 (00356255)
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研究分担者 |
星 詳子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (50332383)
井口 義信 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (10342916)
根本 正史 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (80370980)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 脳・神経 / 近赤外分光法 / 咀嚼 / 脳血流変化 / 老化 / 神経科学 / 認知症 |
研究概要 |
近年、咀嚼能力の低下が、認知症の発症過程に関与している可能性が推測されてきている。しかし、咀嚼能力と認知機能との関係についての知見は未だ少ない。本研究は、咀嚼能力と脳血流動態との関連を明らかにし、高齢化社会化の進む現代における、健康維持、精神・神経疾患の予防への第1歩とすることを目的に進められたものである。 まず、計測手法として、日常の咀嚼と同様な体勢で実験が可能である近赤外分光法(NIRS)を用いることとし、脳内Hb変化の正しい評価を実現するために、NIRSで得られる光シグナルの基礎的性質について検討を行った。時間分解分光法(TRS)を用いた時間応答反射率曲線に関し、その解析方法と得られる(頭皮からの)深さ位置情報の関係について検討した。光拡散方程式に基づいた波形解析を適用する場合、深部の血流変化に対して高い感度を有する情報が取得できることを明らかにした。また、下層の吸収係数推定の可能性について検討し、時間応答曲線を時間軸方向で分割して解析する方法(time segment analysis)を用いることにより、二層及び四層の層構造媒質最深部層の吸収係数を推定できることを見出した。これらの結果から、頭皮上からの脳血流計測におけるTRS法の有効性・可能性を把握できた。 次に、咀嚼時のHb濃度変化、認知課題遂行時等の脳血流動態について、TRS法を含めたNIRS計測を進めその変化パターン・変化幅の咀嚼による影響等について検討した。咀嚼に伴い、頭頂部におけるoxy-Hbの減少とともに、Brodmann's area 9野および46野近傍におけるoxy-Hbの増加を認めた。一方、課題遂行に伴い前額部、頭頂部におけるoxy-Hbの減少を確認し、その変化部位が咀嚼時と一部重なることがわかった。咀嚼時には、課題遂行時に関連する脳領野近傍の脳血流が変化する可能性が推測された。
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