小学校6年次の家庭科の授業のなかに、友達との意見交換の場を設け、さらに意見交換の結果を見直す時間を設定して、自分や友達の良さを認識させる、擬似家族を想定して家族員の気侍ちになって考えさせることによって他者を理解する能力を高めさせる、家庭実践によって家族に役立つ自分の存在を認識させるというような授業実践を1年間にわたって行った。その結果、次のようなことがわかった。 1)児童の友達、父親、母親とのコミュニケーション度は、いずれも6年次5月に比べ、6年次3月は有意に高くなった。 2)社会的コンピテンス、自尊心が6年次5月に比べ、6年次3月には有意に高くなった。 3)夕食を家族揃って食べる頻度が、6年次11月に比べ、6年次3月には有意に多くなった。 4)朝食、夕食を家族揃って食べる割合が、6年次11月に比べ、6年次3月には有意に多くなった。 以上の結果から、本研究の授業実践は友達、父親、母親とのコミュニケーション度を高めるだけでなく、家族揃って食べる頻度や社会的コンピテンス、自尊心を高める上で有効であった。現在、家政学会に投稿中。
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