研究概要 |
本研究は,1991年から取組んでいる近代化の進行による北タイ農村の家族・共同体の変容に関す継続研究の一環である.平成16年度からは,情報化・経済化・国際化に注目し,研究を深化・発展させるよう計画した.3年間プロジェクトの初年度として,平成16年度に取組んだ研究活動は次の通りである. 1.現地調査を2回実施した. 平成16年8月20日〜8月29日 平成17年3月1日〜3月12日(この期間の内,3月3日〜3月10日は別調査) 2.調査内容と結果の概要は次の通りである. (1)村人の家族の構成・機能・役割・関係・ライフスタイル・規範などの実態調査について,平成16年8月,同17年3月の現地調査で継続的に把握を試みた. (2)社会情報処理能力の進化に関する段階的区分の明確化に関する予備的調査として,8月に村人の情報受容に関する聞取り調査を,また,情報受容・認識・評価・行動に関しての質問紙調査を3月におこなった. (3)物的国際化(日本製品の使用と現地の農作物の日本への輸出)に関しては,当該村で生産される主要な農作物のうち日本に輸出されていると考えられる農作物を調査した.インゲンマメおよび枝豆などが現地の食品会社を通じて日本に輸出されていることが分かった.一方,日本ブランド(タイ生産品を含む)製品のバイク,自動車,農機具などが購入されていた. (4)人的国際化(日本人との国際結婚と日本への出稼ぎなど)の進展の現状把握と過程・波及パターン等を解明するため,現在,当該村の女性が1名,日本に嫁して来ているので,その者と手紙によるコンタクトをとり,人的国際化の問題点や可能性を探りつつある.
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