研究概要 |
平成17年8月7日から8月20日の間,益本,宇都宮が北タイへ出張し,継続的に研究の対象となっているアンカイ村と近隣のオムロン村,及びこの地域の中心都市チェンマイで各種の調査を行った.また,10月には補足調査を現地協力者に依頼して実施した. 1.家族の変容の実態については,アンカイ村で毎年調査項目(家族構成,氏名,性別,年齢,就業先など)を調査し,村人全員の動静を把握した.また,家庭の生活レベルを知るための資料として耐久消費財の保有状況をアンカイ村(対象:全家庭)及びオムロン村(同1/3の家庭)で調査した. 2.社会情報処理能力の進化に関する段階的区分の明確化については,アンカイ村の住民(3分の1を無作為抽出)で家電製品,農作物,健康,政治,都市(バンコク),外国(アメリカ)等に関する情報の受容・認知・評価及び行動の変化について質問紙調査を実施した. また,アンカイ村(対象:住民の3分の1を無作為抽出),及びオムロン村(同住民の6分の1)で,10年前と比べ増えた情報内容,情報活用についての変化,外国(アメリカ)及び都市(バンコク)情報の受容の変化等に関して質問紙調査を実施した. 3.物的国際化と人的国際化の進展の過程把握と望ましいあり方の模索については,その予備段階として,国際結婚に関する意識,及び物資の国際化(現地で生産している農産物の輸出と外国製品の使用)に関する意識について質問紙調査を両村で行った.なお,チェンマイでは,上記の各項目に関連する事項について聞取り調査及び文献調査を実施した.日本人と結婚している現地の住民は,アンカイ村出身者の女性1名が岡山に在住しているので書状による質問を行った. 質問紙調査によって得られたデータを統計ソフトSPSS等でクロス集計を行い,聞取り調査結果等とあわせて検討し,中間報告として発表した.
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